本日は読書日記だけです。やはり翻訳よりも日本作家のほうが読みやすい。
・梅雨と西洋風呂(71) 作:松本清張
主人公の鐘��は、造り酒屋の主という本業を持ちながら市政新聞の発行者で市会議員でもある。エネルギッシュな俗物だ。鐘��を夢中にさせるカツ子の描写がエロい。当時は珍しかった洋式の浴槽を用いた男女の戯れが描かれる。単なるお色気サービスではなく、後になって重要な意味を持ってくるのだ。
鐘��の奮闘(悪あがき)ぶりはそれなりに興味深く読めるが、終盤の殺人事件が何か木に竹を接いだような印象を受ける。ワンアイデアのミステリにするなら短編で充分なネタだし、地方都市の権勢争いを主軸にするなら本格推理めいたトリックは不要だ。なにか中途半端な作品だ。とは言え人物描写が達者なので、それなりに読みごたえがある。特に土井源造の造形には感心した。「こういう奴、いるよなあ」と思わせるところが清張の腕前なのだろう。★★★
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