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2025年07月13日22:37

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『君よ憤怒の河を渉れ』

『君よ憤怒の河を渉れ』(76) 監督:佐藤純彌
製作は大映倒産後の永田雅一。中国で戦後初めて公開された日本映画として有名だ。共産圏の退屈なプロパガンダ映画しか知らなかった人民の皆さんは、見せ場山盛りの娯楽映画に夢中になり、高倉健は国民的スターとなった。健さんは本作がきっかけで日中友好に多大な功績を残した。映画が親善使節の役割を果たした感動のエピソードである。

社会の闇を暴こうとした検事(高倉健)は殺人の濡れ衣を着せられ、逃亡しながら真相に迫る。逃避行やヒグマの出現、セスナで飛行し、新宿の町を馬で走る。ストレートなサスペンス娯楽作だ。ダイナミックな展開に当時の評論家が荒唐無稽だと非難したらしい。映画が荒唐無稽で何が悪い。そんなこと言ってるから、日本映画が長い沈滞期に沈んだんだよ。

主役の健さんは勿論、追跡者の警部(原田芳雄)もヒロインの中野良子も熱演ぶりに共感できる。吉田義男や倍賞美津子の出演も嬉しい。あえて難点を挙げるなら、終盤の精神病院の件が長過ぎて飽きる。が、敵対する人物を合法的に廃人にするという分かりやすい悪は、説得力抜群だ。いかにも70年代らしい巨悪である。満足した。★★★★★
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