・化物園 作:恒川光太郎
ひいき作家の短編集である。ホラーに分類されているが、私は不気味系ファンタジーと呼んでいる。
「猫どろぼう猫」変な妄想に取りつかれたオッサン、と思いきや。「窮鼠の旅」40代ニートが父の死を隠そうとするが、腐臭が漂い始めたので、家を捨てて逃げ出す。まさに窮鼠だ。現実にありそうで怖い。
「十字路の蛇」「風のない夕暮れ、狐たちと」は奇怪な人間関係がサスペンスを生む。
「胡乱の山犬」生まれながらに残忍性を持つ男の陰惨な半生記だ。迫力ある筆致に引き付けられる。
「日陰の鳥」物乞いの子供が寺院に保護される。仲間のフリークスたちが印象深い。
ここまで六篇はすべてタイトルに動物が含まれているが、話に関連性はない。
「音楽の子供たち」その施設の子供たちは衣食住が保証されるかわりに、二十日に一度管理者の前で演奏する義務がある。奇妙な閉鎖空間にどんな意味があるのか、子供たちはどうなるのか。先が気になって止められない。
作者の短編集は当たり率が高い。マンネリ気味の東野圭吾や宮部みゆきより出来がいいかも。★★★★★
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