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2025年02月18日15:57

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「いのちの記憶」沢木耕太郎

・いのちの記憶 銀河を渡る�� 著:沢木耕太郎
分割された文庫本の二冊目だ。代表的な長編ノンフィクションの舞台裏が興味深い。左派からの揺さぶりに耐え抜き、磐石の保守政権を築いた60年代の政治を論じた作品があるそうだ。幻の代表作「危機の宰相」かリアルタイムの私的ノンフィクション「一瞬の夏」か、どちらかを選ぶ局面で、後者を選んだ。運命は残酷だが妙味に富んでいる。政治と経済を語る筆者も読んでみたかった気がするが、恐らくその道を選ばなかったのは読者にとって幸運だった。どれほどユニークな分析を見せても、保守論客というレッテルを貼られてしまう。そうするとスポーツや旅に関する数々の名著も生まれず、私なぞは沢木耕太郎の名も知らなかっただろう。

交友関係と訃報に触れた作品が多い。著者は人生を彩る豊かな人脈に恵まれたようで、羨ましい限りだ。だが歳月は大切な人たちを容赦なく連れ去っていく。人の命は有限だ。こればかりは逃れられない。
圧巻は高倉健との交流を描いた「深い海の底に」だ。著者の作品を健さんが演じる約束があったそうだ。見たかったなあ。「ふもとの楽しみ」は、頂上を目指す人が多いけどふもとで暮らすのも楽しいよという内容で、田辺聖子のエッセイだそうだ。深く共感できる。

沢木節を堪能した。読み逃がしていた本を探してみる。
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