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2025年02月16日10:01

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「動物たちのまーまー」

・動物たちのまーまー(2020) 作:一條次郎
作者の本は三冊目だ。七篇収録の短編集である。凄まじい当たり率だった。
「テノリネコ」掌に載るほど小さなレア品種の猫を預かった。大きな音を聞かせると巨大化する。騒音が日常の現代のこと、成長に歯止めがきかなくなる。
「アンラクギョ」天然記念物のアンラクギョを使った高級ピザをネコビトたちが狙う。
「貝殻プールでまちあわせ」社長命令でプールの掃除に出かけると、ラッコに占領されていた。
「採って獲って盗りまくれ」熊の着ぐるみ姿の探偵はトウモロコシを盗んで生活している。だが畠の持ち主から泥棒熊(正体は探偵)の捕獲を依頼される。

「まぼろしの地球音楽」ミュージシャンのゼニーと犬のワンは、只食いの罪で皿洗いとして働く。転落はどこまで続くのか。
「ヘルメット・オブ・アイアン」芥川龍之介『杜子春』のパロディ。
「ベイシー伯爵のキラー入れ歯」現代に生きる吸血鬼の悲哀をスラップスティックに描く。少年漫画ぽい。チャンピオン連載の作品を連想した。

全部面白い。特に前半の五作は、甲乙つけがたい逸品揃いだ。主人公はほぼ全員思惑が外れて破滅する。なのに明るい。不条理に満ちた世界を全力で駆け抜けて、決着に向かう。あり得ない動物たちの狂想曲だ。ファンタジーなどとは呼びたくない。不条理ユーモア小説、ある意味ではSFにも分類できるかな。古株SFファンにぜひお薦めしたい。
★★★★★
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