『釈迦』(61) 監督:三隅研次
大映が総力を傾けて作った三時間近い大作である。
全盛期のハリウッド大作にも劣らぬ雄大なスケールで、釈尊の生涯を描く。日本人が世界に通用する大作を目指すなら、これ以上の題材はあるまい。
セットの巨大さと大量のエキストラが、画面に説得力をもたらす。CGのない時代だから、すべて造形物と生身の役者だ。古代インドとしか思えない。微妙な題材であるため、海外ロケは出来なかったらしい。当時の日本は広大なスペースが用意できたのだろう。豪華な宮廷・巨大寺院建立現場・果てしなき荒野 ーーすべて本物にしか見えない。
釈迦を演じるのは本郷功次郎。勝新太郎はダイバダッタ。やっぱり。勝新が演じるなら、ダイバしかないと思ってた。他に一流の俳優たちが総出演する。釈迦の妻ヤショダラーを演じるのはフィリピンの大女優チェリト・ソリス。さすがの美しさだ。
様々な説話が映像化され、見応え抜群だ。修行中の釈迦を誘惑する魔女たちは色っぽく、悪魔たちは不気味で恐ろしい。クライマックスの邪教寺院崩壊や仏教徒虐待のシーンは、60年前とは思えない迫力だ。同じものは二度と作れないだろう。当時のスタッフとキャストに心から敬意を捧げたい。★★★★★
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