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2024年10月23日18:43

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『座頭市凶状旅』(63)

『座頭市凶状旅』(63) 監督:田中徳三
座頭市シリーズを三本見た。どれも面白い。子供の頃から好きだったが、改めて良く出来たシリーズだ。ロングランシリーズは「男はつらいよ」のように一定の作風を持つ場合が多い。ファンは定番を楽しみに来るわけで、それでいいのだ。ところが座頭市は一作ごとに監督が代わる。市が悪者を斬りまくる展開は同じだが、味わいはすべて異なる。一本づつレビューします。

本作は四作目。市が祭りの相撲大会に飛び入りする所から始まる。掴みとしては上々だ。佐吉はヤクザの二代目を継いだものの気が弱くてまるで向いていない。ゲスな親分衆は、無理を承知で佐吉に市を討たせようとする。縄張りが欲しいから、どちらが死んでも都合がいいのだ。この人物の苦悩が物語に陰影をもたらす。旅籠の娘のぶ(高田美和)は佐吉と相思相愛の仲だ。
おたね(万里昌代)が嬉しい再登場。凶悪な浪人の情婦になっている。純粋一途なのぶとは好対照なダブルヒロインである。この二人をもっと絡ませてほしかった。

最後は陰険卑劣なヤクザ一味をバッタバッタと斬りまくる。胸がスッキリと言いたいが、悲しい別れが待っているので、哀愁のこもった結末である。祭りで始まった映画は、祭り囃子が響くなか市が去っていく場面で終わる。ザ・劇映画という完成度だ。
★★★★★
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