・花髑髏(1936-1937) 作:横溝正史
網羅したつもりだったが、角川文庫に正史の未読作を見つけたので、さっそく読んだ。
戦前の作品三作を収録している。三津木俊助と由利先生が活躍する。思わぬ大当たりだった。
「白蝋変化」最も長い230ページの中編だ。推理小説と言うより通俗怪奇サスペンスだ。妻殺しの罪で死刑が決まった男を脱走させようとする冒頭から、ぐっと引き込まれる。標題の犯罪者・白蝋三郎に謎の美少年と怪しげな医学博士さらに正義の由利・三津木コンビが三つ巴・卍巴の闘争を繰り広げる。展開が速いこと、近年のジェットコースターノベルの比ではない。予測不可能の展開が連続する。解決後まだページがあるので何かあると思ったが、驚愕の結末が待っていた。凄い。
「ホウラクの刑」漢字が出ない。46ページの短編。ドンデン返しが無理すぎる。
表題作は80ページの中編である。過去からの怨念が惨劇を呼ぶ。大長編に匹敵する読み応えだった。
金田一シリーズは当たり外れが激しいが、由利先生シリーズはほとんどが好みド真ん中だ。戦前作の方が好きかもしれない。数が限られているのが残念。★★★★★
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