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2024年07月09日18:48

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『雁』

『雁』(1953) 監督:豊田四郎
大映の作品だ。原作は森鴎外。明治時代が舞台だ。
デコちゃんが自薦作の中に入れていたので見た。飴細工屋の娘・お玉(高峰秀子)は老いた父親と貧しい暮らしをしていた。金持ちの末造(東野英治郎)に望まれて妾になる。末造は呉服屋の旦那と自称していたが実は高利貸しで、妻子がいた。不本意な日々を送るお玉は、よく家の前を通る医学生の岡田(芥川比呂志)に惹かれていく。

飴細工を膨らませる25歳のデコちゃんが可愛い。胸元をはだけ背中を露出する。彼女を見るための映画だ。
高峰秀子が後年TVの「水戸黄門」を見て、「上手な役者なのに、漫画みたいな役で可哀想」と述べたそうだ。本作が念頭にあったのだろう。成金の末造は、古女房を裏切って若いお玉にのめり込んでいく。陰影の濃い人物の老いの執念を熱演している。
が、やはり注目は高峰秀子だ。末造に求められた時の嫌そうな表情と岡田に会うときの浮き立つような笑顔が見事な対照になっている。
スタジオに巨大なセットを組んだそうで、妾宅の周囲がタイムスリップかと疑うほど良く出来ている。もうこんな画面は撮れないだろうな。お玉と岡田は愛の告白どころか、まともに会話も出来ない。波乱の少ないプロットだが、些細なサスペンスの連続で楽しませてくれた。★★★★
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