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2024年04月19日00:15

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高峰秀子『浮雲』『女が階段を上る時』

寝落ちして日が変わってしまった。二本書こう。
両方とも成瀬巳喜男監督。
『浮雲』(1955)
原作は林芙美子。
ゆき子(高峰秀子)は、戦争中日本統治下のベトナムへ赴き、官僚の富岡(森雅之)と関係を結ぶ。敗戦後の東京でゆき子は米兵の愛人になっていた。そこへ富岡が訪ねてくる。男の不実をなじる彼女だったが、想いは断ちがたく、情念が再び燃え上がる。二人が別れと再開をずるずると続けるだけの話だ。

富岡は下半身に人格がないと言うか、歩く生殖器みたいな男で、ゆき子と同棲中にも次々と女に手を出す。ゆき子の素行も褒められたものではない。昔の男が新興宗教で儲けた金をごっそり盗んで、富岡の元に走る。
最後は地の果てのような屋久島に行き着くが。
二人ともまったく共感できない人物だが、戦争を挟んだ時期ならこういう男女もいたのかもしれん。次々と事件が起こるので、退屈はしない。★★★

『女が階段を上る時』(1960)
高峰秀子が銀座の雇われマダムを演じる。私は酒を飲まないので、こういう場所に足を踏み入れたことがない。馴染みのない世界だが、個性的な人物群像は魅力的だ。
独立した売れっ子が華々しく店を開くが、莫大な借金を背負っている。新人ホステス(団玲子)は明るく振る舞いながらチャンスを狙う。
ヒロインは佃島の貧乏な家の出身で、親族は彼女の稼ぎに頼りきっている。特に女房に逃げられ病気の息子を抱える兄が哀れだ。嫌だけど捨てられない。水商売なんか好きでやってるわけじゃない。女優高峰秀子自身の心情とシンクロして、生臭い迫力を感じる。
地位の高い紳士連中の醜さにうんざりした彼女は、朴訥な町工場経営者(加東大介)の誠実さに惹かれる。

ネオンの裏で展開する群像劇が見所だ。仲代達矢がマネージャー役で出演している。★★★★
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