mixiユーザー(id:2615005)

2023年11月29日19:01

67 view

読書日記 小川一水と吉屋信子

飛行機の中で読んだ本。
・ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3(23)
作:小川一水
窮屈な共同体から逃げ出したテラとダイオードの百合カップルは、銀河の中央文明圏を旅する。ガス惑星周辺を巡航する宇宙船で育った二人は、生まれて初めて岩石惑星の地上を踏みしめる。こういうカルチャーショックもあるのか。銀河の大半が中国由来の漢字圏というところがユニークだ。そりゃそういう未来もあり得るだろう。
百合濃度は2のほうが強かったが、SFとしてのアイデアは相変わらず冴えている。念力で操作できる粘土の出自に驚いた。基本は波瀾万丈のスペオペだが、故郷を捨てた二人には保護してくれるシステムは無く、すべて自力で解決する必要があるーーという生活感が現代SFらしい。
いかに行く末が困難であっても、二人の愛があればきっと乗り越えられる。そう信じたい。★★★★

・返らぬ日 作:吉屋信子
作者は大正時代から昭和にかけて少女小説で活躍した作家だ。戦前に発行された代表作「花物語」全三巻は両親が持っていて、中学生のころ読んだ。実は好きだったが、語る相手がいなくて歯がゆかった。

本書の半分を占める中編の表題作は、百合純愛小説である。昭和二年の作だ。百年の時を経て瑞々しい美文が胸を打つ。驚異的なコンテンツの強さだ。ローマンスであぶのうまる(原文より)なのだ。
「七彩物語」はアルバムに貼られた写真の思い出を語る。それぞれに魅力的だった少女たちの追憶が甘酸っぱい。その他の短編やエッセイも興味深く読んだ。
作者の入門書として最適かと思われる。★★★★
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年11月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930