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2023年06月14日23:31

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「日本の戦争映画」著:春日太一

・日本の戦争映画(20)著:春日太一 文春新書

戦後日本における戦争映画を、ほぼ時系列順に紹介する。当然のことだが、戦前のような或いはアメリカ映画のような能天気で無責任な娯楽作は、作られなかった。まず軍上層部の非道を糾弾し、犠牲になった若者たちに共感する良心的反戦映画が主流であった。
そんな中で新東宝の大蔵貢が、50年代後半から愛国だの軍神だのを前面に押し立てた作品を作る。左翼のストライキに対する反動だろうか。敗戦後十年ちょっとで傷も癒えてない時期にそんな作が生まれたという事実は、記憶しておくべきだろう。

60年に入るとジャーナリスティックに客観的な視点で描く娯楽作が現れる。この時期の作品は、そこそこ見ている。何も考えず海戦や空戦を鑑賞する映画だ。
同じ反戦映画でも、ユーモアにくるんで笑いのめすような作品も作られる。川島雄三の「グラマ島の誘惑」は大好きな映画のひとつだ。

戦争映画なら絶対に外せない監督は、岡本喜八である。もちろんすべて見ている。特別に1章を費やしてたっぷり語ってくれたのが嬉しい。
渥美清の作品など見るべき映画を教えてもらったので、円盤のある作品は注文した。

世相と共に移り変わる戦争観が、どのように映画に反映されたのか、分かりやすく一読できる。労作で良書だ。
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