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2018年06月17日22:31

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NYとワシントンが・・/ウエルズ&コーンブルース

北米追っかけの準備中。航空券のプリントアウトはすませ、ホテルの予約を確認した。予約番号をくれるので、メモしていく。経験上、番号の提示を求められることはまず無いんだけどね。パスポートを提示しただけで「はい、どうぞ」となるのが普通だ。

なぜかNYとワシントンの予約が見つからない。いらないメールを片づけたときに一緒に消してしまったらしい。チェックしながら手帳に書き込んでいくので、間違いなく予約しているとは思うのだが。超歌舞伎と鼓童で二回の帰国を挟み、マジミラ争奪戦に気をそらされたので、どこの旅行会社に依頼したのか、直接アクセスしたのか。それさえ覚えていないので、問い合わせもできない。7月はハイシーズンというほどではないから、万一無効であっても泊まる場所はあるだろう。どちらも大都会だし。


読書日記の続きです。
・ザ・ベスト・オブ・H・G・ウエルズ(81)
サンリオ文庫だ。他で読めない珍品が収録されている。13篇のうち、既読は「盲人の国」「くぐり戸の中」(別名「塀についたドア」)だけだった。
科学的ホラ話よりも、内省的で哲学的な作が目立つ。

「この惨めな靴」SFではないが、奇想小説と呼べるかもしれない。人の足元を観察していると、履きにくそうなボロ靴で足を痛めている人が目につく。なぜすべての人が快適な靴を持てないのかーーという着想から社会主義理論を語る。ある意味ウエルズらしい。
「いやな奴」ネアンデルタールが滅ぼされる光景を描く。我々は嫌な奴の子孫なのだ。

「近い将来の物語」ハヤカワ銀背の「来るべき世界」の別名だ。銀背の方はもう買う必要がないな。未来においては格差と政府の統制が徹底している。貧しい夫婦は育てられない子供を預かってもらうことができるが、その子は自分の養育費を払うため死ぬまで労働奴隷になるのだ。令嬢と労働者階級の男が愛し合い、苦難の道を歩む。19世紀らしいメロドラマでSF味は乏しいが、緩急が効いており、けっこう楽しめる。先天性疾患のせいで肝臓を壊した男に医者が、「生まれてきたのが間違いだ」「両親は子作りの前に考慮すべきだった」と言い放つ。優性思想ですなあ。19世紀ならこんなものか。

他に風刺に満ちたショートショート「最後の審判」、絶滅種を救うはずがとんでもない結末になる「怪鳥イーピヨルニスの島」などが印象深い。古めかしくても読みごたえがあった。★★★★


・クリスマス・イヴ(1955)作:シリル・マイケル・コーンブルース
ハヤカワ銀背で、文庫にはなっていない。読む人は少ないと思うので、内容に深く触れます。アメリカは共産軍との戦争に敗れ、ソ連軍の進駐を受けることになった。ソ連に統治された惨めなアメリカ人の姿が延々と描かれる。そんなに共産主義者が怖かったのか。赤狩りが残忍になったわけだな。

で、最後の一割くらいで大逆転が起こる。生産や物流のすべてを監視される状況で、どうしてこんなことができるのか。核ミサイルはまだ知られていなかったので、決め手は原爆を搭載した人工衛星である。結末は安直だが、占領下の人間模様などはなかなか読ませる。冷戦下の世相がこういう物語を求めていたのだろう。SFとしては無価値だが、往時を知る文化資料ではある。★★★
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