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2018年02月24日22:06

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万紫千紅/『トクサツガガガ』12巻

シンガポールでは、まだ正月気分が続いています。
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IONモールのデコレーション。「万紫千紅」とは色とりどりの花が美しく咲き誇る、という意味だ。日本語の「百花繚乱」とほぼ同じかな。それよりはおめでたいニュアンスが強い。今年の十二支の運勢やラッキーカラーを提示している。
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花の刺繍を裏側からライトアップ。小ぶりながら華やかだ。

札幌の空港で待ち時間に愛読中の漫画を入手した。
・トクサツガガガ(12)作:丹羽庭
ついにラスボス(母親)が上京した。どうする仲村さん!?
趣味の親バレでここまで盛り上がるのは凄いなあ。
二十代後半で特撮ヒーローに夢中、という恥ずかしさと嬉しさと開き直りを熱い筆致で描いた傑作漫画だ。テーマ自体が斬新でキャラクターに共感できる。だが、単なる「あるある」ネタだけなら、数冊で飽きるだろう。本作を支えているのは、深い思考と抜群の演出力だ。
今までにも「子供向け番組に大人が感想を述べるのは正しいのか」という問題提起があったが、本書では「内部事情を考慮するのはファンとしてどうか」「中の人はどこまで本物か、そもそも架空世界の本物とは何か」というフィクションの本質にかかわる鋭い考察が成される。どちらもまじめに議論すれば何百ページもの論文になりそうな重いテーマだ。そこをさらりと流すのが作者の腕前だ。深くは突っ込まないが、作品に向かい合う哲学があるかないかは雲泥の差である。本作と凡百のニッチ漫画を分けているのは、哲学の有無だ。
センスも素晴らしい。「五人組を見て追加戦士のデザインを考えよう」なんて、最高の遊びではないか。ツチノコスケルトンが素敵だ。コマの隅々にネタを大量に突っ込む誠実さも評価したい。この巻で感心したのは、117話「支え合い」の冒頭だ。北代におめでたを疑われた仲村の頭上に、キャベツ・コウノトリ・桃太郎・かぐや姫が。普通の男女関係に無縁(と北代は考えている)なのを見事に表現している。現代的であるとともに、最近珍しい「漫画らしい漫画」である。★★★★★

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