・はざまの世界(79)作:ノーマン・スピンラッド
あーー、しょーもなかった。「鉄の夢」がやたらと面白かったからサンリオ文庫で読んだが、とんだ期待外れだった。
メディア輸出で繁栄している惑星パシフィカに危機が訪れた。超越科学を誇る男尊主義者と地球を支配する女権主義者が乗り込んできたのだ。平和な星は銀河を二分する「ピンクとブルーの戦争」に巻き込まれてしまうのだろうか。
作者のことだから、切断された乳房やペニスが血しぶきを上げて乱舞するのかと思ったよ。520ページも読ませてアクションがひとつもない。戦争というのは、要するに政争のことだ。議論と宣伝合戦をするだけ。退屈きわまりない。
モチーフにゴジラが頻出する。ゴジラランドという場所で輸出用のゴジラ映画を作っている。「ゴジラみたいな」「ゴジラ頭(バカ)」などが慣用句になっている。解説者はアメリカの作家がゴジラを認めてくれたと喜んでいる。本書発行の81年はそういう感覚だったのか。現在では多少でもSFに興味のある人間なら、国籍を問わず知っていて当然だ。むしろ安直な扱いに腹が立つくらいだ。
パシフィカ政治家は、二大勢力に挟まれながら独自性を保とうと努力する。政治小説と思えば、まあ読みごたえはある。決着のつけ方もいい。でもな、読みたいのはこんなものじゃなかったんだよ。★
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