昨夜帰国しました。10月て、こんなに寒かったのか。年中夏だから、こういう温度をわすれかけていた。ハヤカワのターザンはあと三冊だ。とりあえず帰国便の中で二冊読んだ。
・ターザンと女戦士(39)
23作目。人跡未踏の地に、女戦士を戦力とする二つの国がある。人の頭くらいの大きさのダイヤモンドとエメラルドがそれぞれの秘宝だ。ターザンは拉致された白人娘を奪回に潜入する。二つの巨大宝石は、他人を従わせる力があるらしいが、使いこなすには何らかの資質が必要らしい。謎は解明されない。タイトルの女戦士はほとんど出てこない。ヒーローに女性を殺させるわけにいかなかったのか。看板倒れもいいとこだ。
後半は『黄金都市』に登場したライオン国と象国が再登場する。。『豹人間』でもタイトルロールの豹男団は途中で壊滅してしまい、後半は小人族の部落が舞台となるが、本書も前半と後半は舞台がガラリと変わる。一冊書ききるほどのネタに育てられなかったのか、雑誌連載だから盛り上がるネタを連続投入する必要があったのか。例によってバロウズの革命嫌いが強調される。王や貴族を蹴り落とした新政権は、例外なくゴロツキの集団だ。バロウズの見解というより、当時のアメリカ人読者の好みに合わせたのだろう。血統や伝統と無縁なアメリカ庶民が貴族制を愛するのは珍妙だが、無縁ゆえに無責任に憧れるのかもしれない。
本作は宝に目のくらんだ白人連中が話をかき回すので、逆転劇が何度も起こり、スリリングではある。★★★
・勝利者ターザン(40・41)
24作から26作にかけての中短編三本を収録する。
『ターザンと難船者』(41)は、ターザンが見世物にするため囚われる。ターザンと捕獲された野獣を乗せた船は、難破して孤島にたどり着く。島にはマヤ族の集落が存在した。外見は日焼けした白人に過ぎないターザンを見世物にしたがるのは、どう考えても無茶である。それなりに面白いが、新鮮なアイデアは皆無。
『ターザンとチャンピオン』(40)成功にのぼせ上がったボクシング王者が、アフリカ旅行で動物を狩りまくる。ターザンは「おまえらは人食い人種より下だ。連中は食べるために殺すだけだから」と非難する。まったくその通りだが、白人狩猟家をとっちめるのは原作では珍しい。映画で作られたターザンのイメージに、バロウズのほうが影響されたのか。
『ターザンとジャングルの殺人者』(40)軍事機密を巡る殺人事件を、ターザンが柄にもなく頭を使って解決する。ううん、似合わないなあ。文化資料としての価値しかない巻だった。★★
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