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2017年09月18日21:10

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『ウルトラマンF』

早川書房のウルトラコラボ小説第三弾。
・ウルトラマンF(16) 作:小林泰三
ウルトラマンが去ったあとの地球が舞台である。地球防衛軍の結成を来年に控え、科学特捜隊の面々は貧弱な装備で怪獣の脅威に立ち向かう。この物語はTVシリーズ「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」をつなぐミッシング・リングとして描かれる。

大胆かつ奇抜な着想を、なじみ深いキャラたちの芝居として描く。ウルトラを現代SFとして再構築するという試みは何度か試されているが、本書は間違いなく最高峰である。
科特隊という組織の位置づけに感心する。なるほど、国際機関の支部なら日本の国内法には縛られない。
生意気な子供なら当時でさえ思いつく疑問は、
「人類の運命を左右する大事件が、なぜ日本だけで起こるのか。
よその国は無関係なのか」
というやつだ。見事すぎる回答が用意されている。具体的に国名は書いていないが、誰でもどの国かわかる。アメリカは軍主導で死者続出の巨人兵士実験を繰り返す。中国ではスラム出身の二人の天才児が、異次元とのコンタクトをはかる。うわ、ありそうだなあ。

タイトルのFは、フジ・アキコ隊員のFだ。美しき白銀のウルトラマンに変身した彼女は、強力な新怪獣たちに敢然と挑む。痛快・爽快きわまりなし。ウルトラマンと怪獣に現代的なSF考証を加えて、見事なSFアクション小説として完成させた。骨太なプロットに感心する一方で、TVの前で手に汗握っていた元少年に対するサービスも満点だ。
個人的には、ブルトンとバルンガが別格扱いなのが嬉しかった。
作者によるとウルトラ好きは、「怪獣派・ウルトラマン派・巨大フジ隊員派」に三分されるそうだ。巨大フジ隊員派って・・・派閥を形成できるほど多いとは知らなかった(笑)
★★★★★

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