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2017年02月19日23:53

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『宇宙人デカ』とその続編

雪祭り終盤ごろから左奥の歯茎が腫れあがり、治らない。たぶん過労で免疫力が落ちたところに雑菌が入ったのだろう。歯科医で抗生剤注入のあと薬をもらってだいぶ楽になった。
そんな事情で、まだ雪ミク土産の整理やフィギュア開放も終わっていない。そのうち写真で報告します。疲れていても読書は続けている。だいぶ溜まったので、今日は二冊紹介します。

・20億の針(50) 作:ハル・クレメント
私にとっては「宇宙人デカ」だ。小学生のころ子供向けの本で読んだ。アメーバーみたいなのが鉛筆を抱えて文字を書いているイラストを今でも覚えている。岩崎書店のシリーズだそうだ。

言うまでもなく共生生物SFの元祖である。異星から「ホシ」を追ってきた「捕り手」が少年の体に住み着いて、犯人を捜す。子供のころは、「捕り手」がいい奴なのが妙に嬉しかったものだ。
本作を読んでその感触を懐かしく思い出した。緊迫した状況でも何かほんわかしている。
設定からは想像できないほど地味な展開が続く。異星人と同居しても超人になるわけではない。「ホシ」は悪人と呼ばれているわりには、非道を繰り返すわけでもない。

南太平洋の小島を舞台に、淡々とした犯人捜しが続く。中盤はやや退屈である。が、それだけに終盤の迫力には息をのむ思いだ。大自然と少年たちの描写が生き生きしている。子供向けリライトでなくても、本作は上質の少年小説だったのだ。★★★★

・一千億の針(78)
前作から七年後、宿主のボブの体調に深刻な異変が生じた。「ホシ」の宇宙船を発見して、本星へ救援を要請しなければならない。二人は再び島へ向かう。

傑作の続編は失望することも多いが、本作は違う。犯人捜しではなく墜落宇宙船探しという前作にもまして地味な題材にも関わらず、矢継ぎ早に危機が訪れスリリングな展開が続く。小説としての面白さはこちらが上かもしれない。予想を裏切る展開と意表を突く結末は、一級のミステリさながら。女性キャラ二人も魅力的だ。

科学的整合性にこだわった記述は、派手ではないが読み応えがある。サービス精神旺盛なエンタメ作家なら、怪物じみた悪役が登場したり、ボブが宇宙人の本星に招待されたりするのだろう。そういう展開に走らないところがハードSFの巨匠と呼ばれる由縁なのか。「事件」の真相はあっけなく、しかもありがちなものだった。この自然さがいい。
小さな不満を述べるなら、「ホシ」はともかく「捕り手」という訳語は違和感を感じる。時代劇じゃあるまいし。ジュビナイルの「デカ」のほうがいい。★★★★


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