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2016年03月14日18:11

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初版本が集まってしまう/ウィッチ・ワールド・シリーズ

若い頃はSFの熱心な読者だった。当時はSF黄金時代で、どこの本屋にも早川や創元の文庫本がズラリと並んでいたものだ。熱心なマニアには様々なタイプがいるものだが、その中にコレクターという人種がいた。持っている本でも、初版を求めて古本屋をめぐったり、集めたコレクションを傷めないために読まずに飾っておくなどという人がいたらしい。本は読むために在ると考えていた私は、いたく軽蔑したものだ。いま考えると、別に悪い趣味でもないんだけどね。

で、古本を探しては読破している昨今、気づいたことがある。90年以降に出版されたSF文庫のほとんどが初版本なのだ。別に探してなんかいないのに。ほとんどの本が重版できず棚から消えてしまったのだろう。冬の時代の厳しさが身に沁みる。
それに引き換え、手元にある71年発行のスターウルフ<3>は三刷、74年発行のウィッチ・ワールド<1>は八刷だ。どちらも有名シリーズだが、誰もが読んでいるメジャー作というほどではない。それでも売れていたのだ、当時は。ああ、なんかため息が出るな。

では自己発掘した創元文庫から。
・魔法の世界エストカープ ウィッチ・ワールド・シリーズ1(63) 作:アンドレ・ノートン
アメリカ陸軍中佐サイモンは、異世界に転送される。魔女たちが統べる国エストカープは、科学技術を駆使する勢力コールダーに侵略されようとしていた。サイモンは魔女たちを助けて立ち上がる。
設定は冒険小説なのだが、これほど血沸かず肉躍らない冒険も珍しい。サイモンは別に腕自慢でもないし、しんねりぐんにゃりした女性的な世界である。魔法VS科学というのは期待を抱かせる設定だが、痛快さはまるでなし。魔法は霧を発生させたり幻覚を見せたりするだけで、冴えない。期待する方向が間違っていたのかもしれないが、これも一冊で充分だなあ。★★


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