ありゃ、また日記に空白ができた。遠征で書けない日以外は毎日書くことにしているのに。まあいい。本日二本目を書こう。
アーケードに行くも、進展なし。
・人間以上(53)作:シオドア・スタージョン
自宅倉庫から発掘したハヤカワ青背だ。この有名作は絶対に読んでいるが、内容を覚えていないので再読した。スタージョンにこだわりたい気分なので。
超能力テーマまたはミュータントテーマの代表作とされている。白痴の青年・奇形の赤ん坊・双子の黒人少女・辛辣な早熟少女という五人組は、一人ひとりだと役立たずあるいは単なる異能者に過ぎないが、集まってひとつの意識を共有すると、世界のありようを変えるほどの力を発揮する。集団人(ホモ・ゲシュタルト)という新人類なのだ。ミュータントにも数あるが、発案・中継・実行を分担するという発想はきわめてユニークだ。このアイデアだけでも絶賛に値する。
全員が社会から疎外された存在だ。底辺の人々に暖かい眼差しが向けられる。SF作家には珍しい視点の持ち主で、作者の魅力のひとつだ。三章から成っている。
第一章「とほうもない白痴」は、青年の生活ぶりと心理が描かれる。いい話だが、途中からかなり陰惨な展開になる。文学的な香気が漂うパートだ。
第二章「赤ん坊は三つ」前章と無関係な人物が延々と会話を始めるので、面食らう。ミステリー篇とでもいうのか、謎が明かされて納得するのが気持ちいい。章タイトル自体が重要な謎解きの鍵になっている。テレポートする女児が素っ裸になる。理にはかなってるな。特にエロ描写はないが、楽しい。
第三章「道徳」未来へのヴィジョンが示され、やはり本作は真正のSFだったのだと思い知らされる。極上の読後感だ。伏線と回収も完璧である。
ああ、やっぱり凄いわ。★★★★★
・チェイサー三巻 作:コージィ城倉
作者は「グラゼニ」の原作者なんだな。そういえば「誰でも知っている人気コンテンツを、前例のない手法で描いて見せる」という点は共通している。
架空の漫画家を「この男は実在する」とやられた時は、何考えてんだ?と思ったが、こんなに面白くなるとは思わなかった。
手塚治虫を勝手にライバル視して燃えまくる海徳が、とにかく笑える。生臭い暴露でもダメな奴の哀歌でもなく、とことん陽性のギャグ漫画として描いたのは、大正解だ。笑いながら、並みの才人が束になってかかっても及ばない手塚治虫の巨大さが浮かび上がる。主人公だけが架空で背景はすべて史実だから、当時の漫画界を知る参考書としても優れている。架空実録という手法は、思わぬ力があるな。
この巻は日本にテレビアニメが誕生した時期をレポートする。熱気が伝わってきて迫力満点だった。「キングロボ」が登場したときは大笑いした。そう来るか。
このあと月刊誌の退潮と戦記漫画(と言ってるけど戦闘機漫画ですね)の消滅が待ってるのだけど、海徳はどうなるのか。なんとか週刊誌に適合して連載を続けてほしいものだ。辻なおきだって零戦漫画のあと、「タイガーマスク」でヒットを飛ばしたからね。★★★★
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