・平賀源内捕物帳(1940) 作:久生十蘭
天下の奇人・平賀源内が御用聞きの伝兵衛を助けて様々な事件を解決する。シリーズ8作をすべて収録している。どれも短くて読みやすい。「えっ、これで終わり?」という感じで余韻が皆無だが、これはこれでいい。
半七や平次に比べると、とにかく派手である。事件もトリックも派手だ。そんな無茶なと呟きながらどんどん読めてしまう。芝居小屋や山王祭や長崎の賑わいなど、華やかな描写は読んでいて楽しい。「稲妻草子」は捕物帳というより、長編時代劇をギュッと圧縮したような逸品だ。「爆弾侍」は、田沼意次を狙う爆破テロリストと戦うサスペンス編である。85年前の本だぞ。先行にも程がある。
太平洋戦争直前に本作が世に出たのには驚くしかない。こういう埋もれた名作をサルベージする好企画は、大歓迎だ。★★★★
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