mixiユーザー(id:2615005)

2025年03月25日21:24

85 view

眠狂四郎『人肌蜘蛛』と『悪女狩り』

いよいよ最終巻だ。言い忘れたが、ひとつの箱に2枚づつ入ってます。
『眠狂四郎 人肌蜘蛛』(68) 監督:安田公義
第11作。狂四郎は子供のころ葬った母の墓参りに訪れた。えっ、母の顔を知らないんじゃなかったのか。
甲府の山中・大鴉の森に佇む鬼館は、召し出されたら生きて帰れないと住民に恐れられている。洋画ホラーのようなムードが盛り上がる。館の主は、将軍の庶子である兄妹だ。素行不良のため江戸から追放されたが、この地で悪行の限りを尽くしている。

個性派女優・緑魔子が殺人淫楽症の紫を狂おしく演じる。狂四郎ガールの中でも一際妖しい魅力が輝く。本作は彼女のための映画と言ってよい。兄の家武(川津裕介)は毒薬マニアで、妹と恋愛関係にあり、狂四郎に嫉妬する。敵が最初から明確で、一直線の悲劇だ。紫の従者の大男がフリークじみていい味だ。歪んだ愛憎の果てに、ほとんどの人物が死に絶え、屋敷は炎の中で崩れ落ちる。
ポーやボルジア家を思わせる西洋風のテイストだ。不思議な味わいを残す。狂四郎がやたらと死に関して語るのが、何やら不吉な予感がする。★★★★★

『眠狂四郎 悪女狩り』(69) 監督:池広一夫
第12作。本作のクランクアップ後、ほどなく主演の市川雷三は37歳の若さで夭逝した。体調不良で殺陣に代役を立てたらしいが、注意して見てもわからない。死の直前まで役を演じきってくれた。ありがとう。

大奥の内紛がテーマである。錦小路(久保奈穂子)は敵対する派閥の女が妊娠したので、堕胎させようと企む。自分は坊主を連れ込んで楽しんだあと毒殺したり、したい放題だ。小夜(藤村志保)はキリシタンで、海外への渡航を夢見る。凄絶な騙し合いと殺し合いが続く中、茶屋の女(朝丘雪路)は唯一の心許せる存在でホッとする。
狂四郎と忍者の戦いはこれまで以上にスタイリッシュだ。能面が不気味な効果を上げている。
雷蔵の代表作を完走して満足だ。いいシリーズだった。
★★★★
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2025年03月>
日 月 火 水 木 金 土
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031