・キャラヴァンは進む 銀河を渡る�� 著:沢木耕太郎
2018年に出版された本が分割して文庫化された。
筆者の本はデビュー以来愛読していたが、ここ十年ほどご無沙汰していた。本屋で見かけて購入。旅や日常を語る短編エッセイ集である。
やはりこの人の文章はいいな。衝撃の深度が違う。大学生の頃、友人に勧められた「一瞬の夏」に夢中になり、「深夜特急」は何度も読み返したものだ。
本書で最も印象に残るのは、やはり外国の街について語る部分だ。「心を残して、モロッコ」の叙情性が心に染みる。スポーツ観戦はあまり興味ないが、筆者の観戦記は面白い。五輪に対して「他にメジャーな大会を持つ種目は入れなくていい」という意見に深く同意したい。採点競技に疑問を呈し、シンクロナイズドスイミングに見世物ぽい美人比べの要素が強い(もっと婉曲な表現だが)という指摘も、その通り。素直に共感できるのは、物事に対する姿勢や価値観が似ているからか。服やブランド品に興味が無いのは私も同じだ。
「買い物ブギ」イスタンブールで爆買いする東欧人の話は、時代と場所が変わっても似たような風景が再現することに感心した。
知的で読みやすく、脳を程よくマッサージしてくれた。タイトルは「犬は吠える、がキャラバンは進む」というアラブの諺だそうな。★★★★★
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