mixiユーザー(id:2615005)

2025年01月14日20:03

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『肉体の門』1964年版

『肉体の門』(64) 監督:鈴木清順
田村泰次郎の小説が原作だ。88年の五社英雄監督版はかたせ梨乃主演で、異色バイオレンスの傑作だった。

本作は娼婦たちの集団に復員兵が転がり込むという設定が同じだが、それ以外は全然似ていない。本作は社会派アート映画だ。ボルネオ・マヤ(野川由美子)たち娼婦が寝泊まりしている廃ビルに、GIを刺して脚を射たれた復員兵・伊吹(宍戸錠)がやって来る。女だけの集団に紛れ込んだ伊吹は、当然ながら波紋を起こす。

女同士の私刑シーンは当時はエロティックな見せ場だったのだろう。今となってはあまり刺激的ではない。本作はエンタメとしての見せ場は乏しい。女闘美シーンも不発弾の設定もない。それよりもマヤの心理をじっくり描いた女性映画という味わいだ。アクションは紅一点ならぬ黒一点の伊吹が引き受ける。米軍倉庫から奪った物資を隠しているらしい。女たちは危険な香りのする男に惹かれていく。
終戦直後の混沌を懸命に生き抜く弱者たちを描いて秀逸である。これはこれで面白かった。★★★★
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