気になっていた野暮用を片付け、ひと安心。また問題が起こるかも知れないが、先の事を心配しても仕方ない。
読書日記を二冊分書く。
・姉さま河岸見世相談処(2020) 作:志坂圭
早川文庫の時代ミステリである。もと花魁が、身請けしてくれた旦那が死んだので吉原に戻ってきた。自分の小見世を開きながら、問題を抱えた人の持ち込む事件を解決する。
吉原うんちくを披露するのはいいが、お喋り文体がくどくてわずらわしい。基本的に吉原をネガティヴに捉えているので、読後感も良くない。確かにロマンを感じるのは買春客だけで、働く女郎にとっては地獄だろう。それがリアルということは分かるが、設定自体が不快なのはエンタメとしていかがなものか。人情話の逆でいわば非人情話だ。事件の謎解きは悪くない。けど一冊で充分だな。★★
・大樹館の幻想 作:乙一
作者は初期短編が素晴らしかったが、長編は今ひとつだ。本作は初の本格でお館ものという触れ込みだ。
奇妙な館は出てくるし、主人公が殺人事件の推理もする。が、とても本格とは呼べない。推理小説の体裁を取っているが、SFとホラーのアイデアが持ち込まれている。ユニークには違いないが、中途半端で魅力を感じない。あと、映画スパイダーマン辺りの影響だろうが、マルチバースとか別の時間線とかを安直に使うのは止めませんか。ちゃんとしたストーリー創りからの逃げですよ。★★
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