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2023年11月30日21:04

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『ゴジラー1.0』

『ゴジラー1.0』監督:山崎貴
物語は戦争末期の大戸島から始まる。特攻隊で死ねなかった敷島(神木隆之介)と整備兵たちが暮らす島にゴジラが上陸する。直接人間を襲うゴジラは珍しい。小柄なところがかえって怖い。歴代で最も凶悪なゴジラかも。
敗戦二年後、1947年の東京を巨大なゴジラが襲う。
まだ警察予備隊(自衛隊)も発足しておらず、米軍占領下のボロボロな敗戦国である。頼みのアメリカ軍はソ連を刺激するのを恐れて動かない。国は情報を封鎖するばかりで、何の手も打たない。民間人たちは明日を生きるためにゴジラ駆除の決意を固める。

いや驚いたな。「シン・ゴジラ」が政府と政治のリアルを描いた現代ゴジラなら、本作は民衆が立ち向かう原点回帰だ。こんな手があったのか。政府でなく一般人が戦うゴジラ映画なんて、史上初である。この設定が使えるのは、戦後の数年間だけだろう。着眼点に感服した。反戦と軍隊嫌いは当然だが、それでも生きるために立ち上がる男たちが爽やかだ。旧政府は国民に死ねと命じた。「本作戦では犠牲者を一人も出さない」と言い切る指導者の姿は、何より雄弁な大日本帝国全面否定である。痛快きわまりなし。

海神作戦の根幹は当時の技術でも実現できそうなリアルさだ。ゴジラの暴れっぷりも戦闘も見事だった。ゴジラにくわえられた電車の乗客は初めて見た。あの機体が実戦で活躍するのも初の映像化では。
斬新な切り口で、しかも見たい物をたっぷり見せてくれた。最高点しか考えられない。★★★★★
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