鬼太郎とゴジラは当分やっているので、無理にハシゴする必要はない。じっくり1本づつ見ることにした。まず鬼太郎から。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
6期鬼太郎の映画である。誕生編は墓場鬼太郎で見たし、どうせなら犬山まなを含むフルメンバーによる新作が見たかったーーと思っていた。「大海獣」とか未放映の大物エピソードもあるし。が、観終わるとそんな不満は吹き飛んだ。予想とまったく違う。
お馴染みの誕生シーンはラストというよりエピローグだ。血液銀行員の水木と幽霊族の血という素材を膨らませて、見事な六期鬼太郎前日譚になっている。
秘薬Mの秘密を探る水木と妻の行方を探る鬼太郎の父親が、龍賀一族が牛耳る村に潜入する。歴代で最も怖い鬼太郎映画だ。妖怪の怖さではなく、人間の怖さである。欲に狂った姿のおぞましさよ。不死もどきを作る薬剤が先の大戦や高度成長に関わっているという社会性にも感心した。正しく六期の世界観だ。女性キャラの可愛らしさが哀しい。テレビでは放映できない生臭い事情が描かれる。ついでに長女と鬼道衆のリーダーは出来ている。苦い大人の味と言うべきか。
傑作だ。もう一回見たい。★★★★★
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