『目の壁』(58) 監督:大庭秀雄
手形詐欺で会社に損害をかけた課長は、自責の念から自殺してしまう。部下の萩崎(佐田啓二)は会社の措置に納得が行かず、単独で事件を追う。偶然にも佐田啓二主演作を続けて見た。
背後に政治ゴロの大物がいるらしい。わずかな手掛かりから糸を手繰っていくと、詐欺グループの異様で巨大な姿が浮かび上がる。調査の途中で何人も人が殺される。陰鬱で酸鼻な展開だが、友人の新聞記者と新婚の妻(朝丘雪路)の明るさに救われる。事件に関わる謎の女(鳳八千代)の憂いを含んだ美しさと好対照だ。
社会派サスペンスとして良い出来だが、最後が消化不良なのが惜しまれる。やむを得ない部分もあるが。
犯罪グループは、ある貧しい村の出身者の集まりだった。原作同様に暗に被差別部落を指している。それなら結束が固いのもうなずけるし、のし上がりたいのは当然だ。はっきり言及できないのはわかるが、結末が不明瞭で後味が悪い。途中で政治ゴロが「第三国人だ」という意味不明なセリフが入るのも変だ。★★★
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