・コメンテーター(23) 作:奥田英朗
大好きだった伊良部シリーズが17年ぶりに復活した。
即買い即読み。五篇のうち表題作は今一つだったが、他の四篇は変わらぬ面白さだった。
精神科医の伊良部先生は、患者の相談を受けると周囲を巻き込んだ大騒動を起こす。振り回され疲れ果てた患者は、いつの間にか症状が消えてしまう。と言うのが基本フォーマットだ。
伊良部はもしかするととてつもない名医か、いややはり単なる馬鹿か? ストレスが吹き飛ぶ痛快ユーモア小説である。
「ラジオ体操第二」は正義感ゆえにフラストレーションがたまる男を助ける。「うっかり億万長者」は株式トレードで大儲けした青年、「ピアノ・レッスン」は広場恐怖症のピアニストが患者だ。「パレード」はコロナ籠りが切っ掛けでコミュ症になってしまった大学生に荒療治する。悩みは慰めてもらっても消えない。ならばこういうやり方が最善なのだろうか。
伊良部が実在したら、日本社会の風通しがずいぶん良くなることだろう。★★★★
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