「五匹の紳士」(66) 監督:五社英雄
タイトルからは五人組が何かやらかす映画を連想するが、まったく違う。紳士は皮肉であって、主要人物は紳士的とは正反対の極み。裏切りと殺しの暗黒サスペンスである。
死亡事故を起こしたため、地位も婚約者も失った笈田(仲代達矢)は、同房の囚人・千石(平幹二朗)から出所後の儲け話を持ちかけられる。三人の男を殺せば千五百万円支払うという契約で笈田は動き出すが、彼らは外国人の犯罪者たちにも追われていた。
底辺の男たちが浮上することを夢見てあがく。その代償は、自らの血と命だった。緊迫したストーリーから目が離せない。小品ながら五社さんの資質が良い方向に発揮された佳作である。
三人のうち一人は田中邦衛。この人が出ると画面が躍動する。天本英世が怪しげな訛りの外国人ギャングを演じる。国籍不明の悪漢が似合うなあ。★★★★
ログインしてコメントを確認・投稿する