将来の夢はと訊かれた9歳の少年アレックス、「ミス・フランスになりたい!」と答えクラスメートからは嘲笑の嵐。やがて24歳になった彼は旧友との再会を機に、忘れかけていた夢に挑戦すべく、男性であることを隠してコンテストに応募する。美しきジェンダーレス・モデルとして人気、アレクサンドル・ヴェテールが映画初主演。
ほのかなコメディ・タッチ。テンポのいい起伏ある展開を優先したのか、リアリティにはあまりこだわらない演出が続く。とりわけアレックスが予選を通過した後、ミス・フランス候補が集合したあたりからおチャラケ度が増してくるが、実際の「ミス・フランス実行委員会」と提携したというから案外リアルな描写なのかもしれない。
あと印象に残ったのは作品全体を彩る、過度にも思えるデコラティブな西洋趣味。コンテストすべてに関わるきらびやかな匂いや、アレックスの仲間(最近の映画でよくある設定〜マイノリティ集団)が集う、ジーンズ縫製工房兼下宿の室内装飾が持つケバケバしさ。すべてが渋みを重んじる東洋趣味とは対極にある独特の色彩感覚。
ミス・コンテストそのものの存在を問うべく、制作側はあえてこの設定をぶつけたのか?アレックスが最後に取った行動の意味合いとその是非は?現実それとも幻想なのか、ラストシーンは観る側へ問いかけなのか?娯楽作品としてふつうに楽しめばいいけれど、観終わったあとはけっこういろいろ考えてしまったように思います。
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