いまから9年前の3月11日、東日本大震災の発生により大津波が福島第一原発を襲撃。東日本全体が壊滅するという史上最大の危機に立ち向かったのは、原発内に残り続けた50人の作業員たち。佐藤浩市と渡辺謙という日本を代表する俳優ふたりをはじめ豪華キャストが集結。その雰囲気からてっきり東宝作品だと思っていたら松竹の製作・配給だった。
いまそこにある危機との戦い、制御室の作業員・対策室の指揮官・東電本社そして首相官邸…緊張感あふれる激しいやり取りには思わず息を飲む。光も乏しく閉ざされた空間で放射能マスクごしに原子炉制御に関する専門用語が飛び交い、セリフがちょっと聞き取りにくくなる場面もいくつかあったけど、それもまたリアリティの裏返しと解釈したい。
雑誌「キネマ旬報」のレビュー欄では3人の評者がそろって最低点の★星1つ(最高5つ)。この雑誌の性格上、この大作にはおそらく低評価を与えると思っていたけどここまでとは。たしかに内閣総理大臣(佐野史郎)のヒステリックなふるまいは誇張しすぎのように思ったし、米政府やニュースの模様など、海外の反応部分はチープに映った。
さらに日本的情緒にゆだねたエンディングも、ちょっとキレイにまとめすぎではと思わないでもない。そのあたりをとらえて現政権与党におもねているのではという意見もあり、まあ解釈はいろいろと多岐に渡るであろうこの作品、ふたたび国全体が難事に立ち向かっているいまこのときだけに、あえて観る価値は十分にあると思いました。
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