mixiユーザー(id:2615005)

2017年11月01日01:00

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タイ人SF作家

・スターシップと俳句(81)作:ソムトウ・スチャリトクル
作者はアメリカ在住だが、タイ系アメリカ人ではなくタイ人だ。王族である。
縁の深いタイ人で、しかも日本が題材だ。これは読むしかない。

千年紀戦争のため、世界は死に瀕している。それから21年後の2022年、イシダ・リョーコは鯨とのコミュニケーションに成功した。人類に変革をもたらすきっかけになるのか。

いや、どう評価していいか言葉に困る。英語が得意なタイ人が書いたわりには、主要人物の全員が日本人と日系アメリカ人だ。本作の日本人は死を美しい終焉と信じており、ほぼ全員が自殺願望を持っている。死ぬためのテーマパーク「死国」では、途中で分解するローラーコースターが人気だ。変てこなガジェットと緩急のあるプロットに引き込まれて、あっという間に読み終えた。
本作に描かれる日本は、よくあるガイジンの勘違いとは次元が違う。たしかに日本には死を美化する文化があるが、ここまで書くか。戯画化と極端化はSFの持つ優れた武器なので、そういう意味では成功している。が、「鯨を殺してきた罪を償う」というのが自殺の動機になるのは、愛国心なんかカケラもない私でさえ違和感を感じる。捕鯨が悪いなら、娯楽としての狩猟はもっと悪いだろ。
松尾芭蕉の俳句が随所に挟み込まれ、効果を上げている。引用ぶりを見れば、作者の日本理解がかなりのレベルであることはわかる。最高と最低の間で揺れ動いたが、評価は普通にしときます。★★★
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