mixiユーザー(id:2615005)

2017年07月29日15:43

659 view

ハーラン・エリスン『ヒトラーの描いた薔薇』

28日(金)はセントーサ島のカジノで100ドル勝った。相棒は200ドル勝ち。元が小さいので、勝ってもたかが知れてる。ミクさんに貢ぐなら何百万でも惜しくないが、博打でスル金は勿体なくて仕方がない。天晴なオタク根性だ。
29日(土)はどこへ行っても混んでるので、自宅周辺をうろついただけ。相棒は明朝、私は二日後に帰国する。次は9月のマジミラに連れて行きます。

ハーラン・エリスンの独自短編集二冊目。
・ヒトラーの描いた薔薇(2017)
前回の「死の鳥」は受賞作がズラリと並んだ、いかにも傑作選という一冊だったので、今回は地味な落穂ひろいかと思っていた。とんでもない。こちらのほうが気に入った。

『恐怖の夜』は黒人差別を描いた強烈な一篇だ。凍えていても空腹でも、黒人はサービスを受けられない。ゾンビなんか出るよりよっぽど怖い。『死人の眼から消えた銀貨』も同様のテーマだが、主人公に超自然的な雰囲気があって、不思議な後味だ。
『苦痛神』全宇宙に苦痛だけをもたらす神がいる。嫌な存在だが、なぜか腑に落ちてしまう。「全知全能でいつも見守ってくださる」と言われるより素直に理解できる。

『バシリスク』拷問されたベトナム帰還兵は、呪われていた。バシリスクの能力が身についてしまったのだ。大衆の無責任な残酷さに身の毛がよだつ。彼らこそ怪物なのではないか。まさに怒れるエリスン。本書の白眉というべき傑作だ。
『血を流す石像』は、ひたすら殺戮が繰り広げられる。不思議だが痛快だ。
『冷たい友達』運命の恋と見せかけて、この展開。アンチ恋愛小説とでもいうのか。

『クロウトウン』下水道には、もうひとつの世界がある。不快な異世界ファンタジー?
『解消日』は伊藤典夫の翻訳が冴える。解消日の次は酔狂日だ。
表題作は地獄が舞台だが、ヒトラーは門に薔薇の絵を描いているだけで、特に活躍しない。ヒトラーは若いころ画家志望だった。あの世で罰も受けず絵を描いているらしい。エリスンがユダヤ人だということを考えると、捻じれた怒りの表現とも思える。この世界は人生だけでなく、死後の審判まで理不尽なのか。

すべてが個性的で、独特の味わいがある。こんな作家はもう出ないかもしれない。
★★★★★
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年07月>
日 月 火 水 木 金 土
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031