mixiユーザー(id:2615005)

2017年07月10日22:57

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ミク水着で「マージナル」/『臨界のパラドックス』

「マージナル」は難曲だが、ダンスが楽しい動画の筆頭ですな。
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・臨界のパラドックス(91)作:ケヴィン・J・アンダースン&ダグ・ビースン
ソ連崩壊間もないころに書かれた作品。反核活動家のエリザベスは、米軍の核実験を妨害しようとして、五十年前にタイムスリップしてしまう。「もう敵がいなくなったのに、まだ実験を続けるつもりか」というセリフが時代を表している。ほんの一瞬だが、共産圏倒壊=恒久平和という夢が生まれたことがあったね。現実には制度疲労を起こした資本主義が庶民を食い殺し、大量の無差別テロが頻発して、悪の帝国(アメリカから見れば)ソ連が健在だったころより悪化しているわけだが。

エリザベスが到着したのは、1943年のアメリカ。大学で21世紀の物理学を学んだ自分なら、マンハッタン計画を阻止して核兵器を失くせるかもしれないーーとプロジェクトの事務員として就職する。が、彼女の介入によって歴史は思わぬ方向に転がっていく。

主人公が広島・長崎の悲劇に心を痛めているという設定は、米国作家には珍しくフェアな態度だ。でもやっぱり勉強不足だな。日本の市民は警告なんか受けてないぞ?不意打ちの皆殺しだ。しかも屋外の被爆者を増やすために出勤時間を狙ったのだ。
結果を知っている主人公が無意識に漏らした言葉で事態が変化していく。世界の運命を決める大戦争だけに、緊迫感は抜群である。特にドイツの核開発の描写は、凄惨きわまりない。ナチスは危険な放射性物質を扱うのに、ある方法を使う。そして連合国側に仕掛ける核攻撃の方法とは。
被爆国の人間としては、「ナチスの原爆を阻止せよ」というアメリカ製娯楽作を見るたびに反発を感じる。殺されたのがジャップでよかった、と言われてるみたいで。が、本書を読んで少しだけ考えが変わった。他の国が先に開発したら、別の悲劇が起こったことは必定である。アメリカが二都市を壊滅させた「だけ」ですんだのは、最悪の選択肢の中ではましな部類なのかもしれない。
緊密なプロットとスピーディな展開に引っ張られて、一気に読み終えた。タイムスリップものとして良く出来ている。主人公が五十年前の世界にとまどうシーンは、価値観の変化がよくわかる。最終章には唖然とする。この部分の皮肉さが最高なのだが、ネタバレ回避のため書きません。★★★★

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