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2017年06月08日23:49

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あと十年は戦える/『スペース・オペラ』

シンガポールは優等生国家だ。凶悪犯罪がほとんどない。治安の良さは世界に誇る美点だが、そのぶん政府はお固い。AVどころかヌード写真も違法である。セクシー雑誌は水着どまりで、尻が見れたら大サービスだ。恥毛どころか乳首も厳禁ときている。
ところが二次元キャラのえっちサイトは、ふつうに見られる。実物じゃないからいいのかな、と呑気に構えていたら、ついに「ポルノにつき見られません」と表示されてしまった。教えてもらった直後に一週間くらいかけて100あまりのミク・八雲藍・萌王ラムセス2世らの動画を収集したので、さしあたって問題はない。マ・クベの台詞ではないが、あと十年は戦える。
公開日記に書いてよかったかな。日本語のわかる官憲に踏み込まれて、「おまえの画像を消去する」とか言われたら嫌だなあ。

・スペース・オペラ(65)作:ジャック・ヴァンス
祝!ジャック・ヴァンス叢書第三弾にて、無事完結。65は表題作(長編)の出版年度だ。250ページと比較的短く、残り200ページに四本の中短編が収録されている。

表題作は宇宙を旅する歌劇団の珍道中を描く。一発ギャグみたいなタイトルである。オーナーの金持ちおばさんデイム・イサベルが暑苦しくて口やかましく、いい味を出している。甥のロジャーは頼りないボンボンだが、ここぞというところで活躍する。ヴァンスにしては、まともな主人公だ。謎の美女ロズウィンは天晴な性格の悪さだ。彼女には秘められた事情がある。
一行は行く先々で、文化の隔絶のため散々な目に合う。もちろん笑えるが、あいにく私はクラシックに強くないので真の可笑しさが理解できない。楽曲タイトルを見て作品が脳裏に浮かぶような人は、さぞ楽しめるだろう。終盤の意外な展開と伏線の回収は見事だった。

四短編の中では、『エルンの海』が秀逸だ。どことも知れぬ惑星の両棲人類が主人公だ。地球人は出てこない。異質な形態の生命の社会を描き、発生の秘密を考察する。これぞSF、これぞヴァンスである。作者の真骨頂といえるだろう。
『海への贈り物』はアンソロジーで読んでいた。海洋冒険SFにファーストコンタクトとビジネスものの要素も加わった力作である。ラストが感動的だ。
『新しい元首』関連性のない五つの世界の冒険が語られる。ユニークなスタイルだが、真相はわりと平凡だ。が、想像試合のイメージは鮮烈なきわまりない。
『悪魔のいる惑星』は60年代SFらしい佳作だが、あまりヴァンスらしくない。

ヴァンスの知られざる傑作を紹介してくれた業績を高く評価したい。いつの日か、ぜひ第二弾をお願いします。「アラスター星団」や「ブルーワールド」が読みたい。★★★★★
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