青春ミステリというのは、何かしっくりこない気がする。十代の爽やかさと人間の業がむき出しになる犯罪捜査が、水と油だからだ。もちろん爽やかさのカケラもない十代を送る人もいるわけで(現実にはそっちのが多いだろう)、ドロドロした少年ミステリは可能だが、そういうのはあまり青春ミステリとは呼ばない。
・高校殺人事件 作・松本清張
清張唯一の青春ミステリだそうな。高校生向けの学年誌に書いたらしい。
そのせいか文章がやたらと平易だ。この人ほど十代の少年少女を描くのが似合わない作家もいないと思う。よくこんな依頼をしたものだ。59年の作品だから、全盛期で多忙だったろうに。
同級生が殺された謎を仲良しグループが追う、という設定だ。キャラクターに見事に個性がない。事件に意外性も深みもない。わざわざ高校生を登場させた意味もない。だから無理だと言うのだ。レア物には違いないので、清張マニアは読んでおくべき・・かな。★★
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