レジェンドの秋・ベテランの秋

この秋は洋楽ベテランアーティストの新譜が立て続けにリリース。このところベテラン勢から届くリリース情報といえば、名盤XX周年記念スペシャルエディションとか、デビューXX周年記念BOXセットとか、全盛期の未発表ライブ音源発掘ものとか過去の切り売り商売ばかり。いささかウンザリしていたところこれは嬉しい知らせ。

新譜リリース順に彼らの名前を並べると、ドゥービー・ブラザーズ/サンタナ/エルトン・ジョン/デュラン・デュラン/ダイアナ・ロス/ABBA/ロッド・スチュワート/スティング/ガンズ・アンド・ローゼズ/アース、ウインド＆ファイアーといった、平均年齢70代半ばとおぼしき豪華な顔ぶれ(最後の2組はシングルのみですでに発売済み)。

何でまたベテランの新譜リリースがここにきて集中するのか、その疑問にたいする答えはいたって明快。コロナ禍においては誰しもライブ活動ままならず、そんなときミュージシャンがなすべきことといえば、自前のスタジオにこもっての曲作りさらにレコーディング。その成果がいまここにきて一気に熟してきたということ。

最近は濫用されているレジェンドという表現でfm cocoloはひとくくりにしたようだけど、かってお気に入りミュージシャンの新譜にワクワクしていたLP/CD世代としては、彼らベテラン勢のたゆまぬ創作意欲に敬意を表しつつ、そのリアルなサウンドをどっぷりと楽しみ、この秋を実りのあるものにしようではありませんか。