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2019年04月30日21:40

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石鹸を仕込んだ

先日、石鹸を仕込んだ。
先ずはレシピ。
主原料であるオリーブオイルを100%とした場合の割合。

オリーブポマスオイル 100%
水 35%
苛性ソーダ 12%

この配合が最も一般的な配合で、オリーブオイルのみを主原料とするのが、最も基本的。
様々な油脂を配合し、機能性を持たせた石鹸があるが、原価が高くなるので、今回はこれにした。
約二ヶ月間寝かせ、米国の友人に送る。

オリーブポマスオイルとは、エクストラバージンオイルを搾った後の搾りかすを更に処理して得た油で、食用としては味は良くないし、不純物が多い最低級のオイルだ。
しかし、この不純物が、石鹸作りでは良い結果をもたらす。
エクストラバージンオイルで作った石鹸は、純白で美しい石鹸だが、吸湿性が高く、溶け易く、保ちが悪い。
それに対してポマスオイルで作った石鹸は、色はくすんでいるが、固くて保ちが良い。
石鹸そのものの機能としては、どちらも大差無いように思う。

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オリーブポマスオイル。低価格であるのが魅力。
エクストラバージンオイルと比べると、このサイズで300円は安いのではないだろうか。

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色も濃い。

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苛性ソーダの水溶液と温度を合わせるのが良いので、気温にもよるが、だいたい50℃程度まで加熱する。

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加熱するとこんな感じになる。

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使用する水だが、一般的には、不純物の無い、薬局等で売られている精製水が良いと言われている。
しかし、私は水道水でもかまわないと思うし、私は今回、温泉水を使った。
我が国の水道水は概ね軟水で、我が家の水道水は30ppm前後の軟水だが、この温泉水は543ppmの硬水である。

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ここは仙台市青葉区の作並と言う温泉地にある足湯で、この近くにはニッカのウイスキー工場がある。
つまり、この周辺の水は、良質であると言う事だ。
この水は、飲んでも美味しい水だ。

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苛性ソーダと水を混ぜ合わせる。
苛性ソーダは強アルカリの劇薬であるため、一連の作業は、出来れば、長袖の服とゴム手袋、マスクとゴーグルを着用するのが望ましい。

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水と苛性ソーダを合わせると、化学反応により、水温が90℃前後まで急速に上昇する。
この時、見えないかも知れないが、水蒸気が発生し、それを吸い込んでしまうとむせるので、事前に窓を全開にし、換気扇をフル回転させなければならない。
或いは、家の外で、この段階の作業を行うか、だ。
この水溶液の温度を、50℃前後まで下げてから次の作業に進む。

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今回は仕込みの量も多かったため、泡立て器やハンドミキサーではなく、私は家庭用としては大きな卓上ミキサーを持っているので、それを使った。
ミキサーを最低速で回し、油脂に苛性ソーダの水溶液を、マヨネーズを仕込む要領で、少しずつ加えて行く。

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今回は約1時間ほど回したが、掻き回し続けると、段々と、とろりとした状態になり、このように、「トレース」と呼ばれる物が現われるようになる。
そうなったら、この段階の作業は完了で、次は型詰めをする。

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適切な容器に型詰めをする。
これは百均で買った、パスタを保存するための容器で、大きさも値段も手頃だったので買った。

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この大きさだと、容器1個につき、油脂を1リットル、約900グラム前後で計算すると、程好い量になる。

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蓋をしないと、溶液の圧力で容器が横に広がるし、チリや虫が入る場合があるので、蓋をする。
しかし、水分を逃す必要があるので、このように、部分的に隙間を空けてある。

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ここで、作業は二つに分かれる。
今回は「コールドプロセス」と呼ばれる方法で仕込んだが、型詰めした溶液を、そのまま寝かせて熟成を進める方法と、比較的高い温度を長時間保ち、時間を短縮する方法がある。
それは一般的に「ジェル化(ゲル化とも言う)」と呼ばれる方法で、40℃前後の温度を長時間保つと、化学反応が促進され、油脂と水分の分子が均一に混ざり、溶けにくい、保ちの良い石鹸になる。
ジェル化させない場合、型出し出来るようになるまで、概ね一週間かかるが、ジェル化させれば翌日には型出し出来るし、その後の熟成期間も短くて済む。
欠点は、石鹸に色付けしようとした場合、色がぼやけてしまう事だ。
今回は、オーブンの醗酵モードで、温度を45℃に設定し、時々様子を見ながら6時間おいて、ジェル化させた。

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ジェル化させない石鹸は、熟成させるのに時間がかかるし、石鹸の表面に、ソーダ灰と呼ばれる、苛性ソーダの残りカスのような物が浮いて出る。
ジェル化させた石鹸には、それが無い。
ジェル化させない石鹸でも、ジェル化させた石鹸と同様、固く、保ちが良く、滑らかな使い心地の石鹸にはなるが、そうなるまでに、数年間、寝かせなければならない。

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これは翌日の状態。
今は気温の低い季節なので翌日には型出し出来たが、気温の高い季節になれば、固まるまでもっと時間がかかっただろうし、場合によっては冷蔵庫の中で寝かせなければならなかっただろう。
 
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あとは適切な大きさに切り分ける。
勿論、この段階で切り分けなくとも良いが、数週間から数ヶ月かけ、熟成、乾燥させ、完全に固まってからでは切り分けるのが困難なので、通常は、まだ柔らかい、この段階で切り分ける。

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このように、冷暗所で通常は二ヶ月ほど、乾燥と化学反応の終了を待つ。

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三日後、乾燥が進み、色が変化し、固さも出て来た。

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6月20日が、完成予定日である。
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