昨日は有楽町スバル座で大林宣彦監督作品「花筺 HANAGATAMI」を鑑賞。今年最後の映画鑑賞です。
「花筺」は、大林監督が肺がんによる余命宣告を受けながらも、それを克服して創りあげた、渾身の作品。
2011年の「この空の花 長岡花火物語」のテーマは「まだ、戦争には間に合いますか?」でした。
次に起こるかもしれない戦争を押し止めるだけの時間は、まだあるだろうか? もし間に合うのなら、何としてもそれを防がなければ!
そんな思いが、あの作品には満ち溢れておりました。
あれから5年。
「花筺」が映し出されたスクリーンから、大林さんのこんな声が聞こえてくるようです。
「君たち、もう、時間はないよ」。
「これまでは『いくら反戦を叫んでも、伝わらない』と思っていた。だから敢えてノンポリを通してきた。でも、それは間違いだった」と大林さんは言います。
今、言わなければ。
今、言い残しておかねば。
残されたわずかな時間を焦り、もがきながら懸命に生きる若者たちの群像劇の中に散りばめられたストレートな主張は、かつて軍国少年だった彼の、生命を賭けた叫びではないでしょうか。
「青春が戦争の消耗品だなんて、まっぴらだ」
自分の命の使い道くらい、自分で決める。
そんな当たり前のことが踏みにじられようとしている今、この作品が創られた意義は大きいと思います。
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