「ローグ・ワン」。
惹かれるタイトルじゃありませんか。
私流に訳するなら「ならず者一番隊」。
痺れるのう。まるで笠原和夫の「いれずみ決死隊」みたいじゃありませんか。
きっと、往年のスペシャル・フォースものの傑作「ナバロンの要塞」、「特攻大作戦」「鷲は舞い降りた」、そして我がニッポンの「独立愚連隊」のような快作になっているに違いない!
・・・残念。私の期待とはまったく真逆のモノでした。
まず、「デス・スターの設計図を手に入れろ!」という結論に至るまでが長過ぎ。まずそこが本作の本筋なのですから、余計なことやってないでさっさと仲間集め&潜入の段取りにハナシを進めればいいのに、なんかモタモタしてるんですよね。
特にフォレスト・ウィテカーのエピソードなんかいらないんじゃないですかね。
もっと言うなら、あの冒頭の件りもダメですね。芝居が重すぎ。とても活劇映画のオープニングとは思えません。「だだっ広い荒野を、悪漢たちが横並びで歩いてくる」という、痺れるようなシーンを用意しておきながら、さあ、これから大冒険活劇が幕を上げるぜ!的な見せ場を提供しないのはアウトです。
この映画の作り手は、活劇作りには向いてませんね。
新キャラロボットのK-2SOの活躍や、ドニー・イェン&チアン・ウェンの東洋人コンビの素晴らしさなど(ドニー・イェンがボウガンみたいなブラスターを使うのは傭兵ものの傑作「ワイルド・ギース」へのオマージュでしょうか)、いいところはいっぱいあります。
「俺にかまうな先に行け!」的な鉄板パターンや、ナイスなタイミングで助っ人登場!といった、活劇映画のお約束もこまめに挿入されていて、まあこれなら前半の弛緩ぶりには目をつぶってもいいかな、と思ったのですが・・・。
ここから先は、ある程度映画に詳しい方はスルーしてください。
この結末はいけません。
ああいうのをやりたいなら他の題材でやってください。これでは「スター・ウォーズ・ストーリー」ではなく「スター・ウォーズ哀話」です。
どうしてもあの終わらせ方にしたいのなら、先述の「独立愚連隊」のようにカラッとした展開が必要でしたね。
血湧き肉踊る戦争アクションかと思ったら、ルイス・ギルバート監督の「暁の七人」になってた、と言えば、わかる人にはわかるのではないかと。
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