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2024年05月02日14:50

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キース・ヘリング展@兵庫県立美術館

彼の作品の特徴と言えば、クッキリとしたタッチで描くコミカルなアイコン、陰影やグラデーションといった言葉とはまったく無縁のややエスニック感覚も混じるコントラスト強烈な色彩。今回“アートをストリートへ“という副題の付いた展示に接すると、かならずしもそればかりではないなあと、先入観がしっかりと払拭できた。

創作の原点というべきニューヨーク地下鉄駅構内の空き広告スペースへのグラフィティ群もその一例。このあたりではまだまだ単色でシンプルな表現ばかり、そのタッチも後年ほどの力感はなし。それにしても当時のNYC交通局はよく才能の芽を摘まなかったもの、日本をはじめ他の都市だったら即刻消去の対象だろう。

もっとも印象的だったのは時代を思い切り飛んで遺作と言っていい逝去前年に描かれた作品群(フォト右)。残りの日々を自ら悟ったのか、これまでの自作の代表的アイコン5点を過去にはなかった力強いタッチで描いている。彼とアンディ・ウォーホルが同じ米ペンシルヴェニア州出身だったことは、はずかしながら今回初めて知った。

オリジナル新作が表紙を飾った「ぴあ」別冊など、彼と日本との関わりをテーマにした最終展示だけ撮影禁止だったのは残念。あと間違いなく意図されたものだろうけど、総じて照明が思ったより暗め設定だったのは意外。展示ナビゲーター・音声ガイドのナレーターは磯村勇斗、ここでも見事な助演ぶりでありました。
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