Dr.ハインリッヒ@よしもと漫才劇場

「名作公開収録ライブ」と銘打った今回の単独イベント、つまりベスト盤を再録するので集まってちょうだいということ。DVDリリースかと思いきや、イマは一気にYouTubeチャンネルのコンテンツとなるらしい。まあ実際は名作というよりも、近年のネタがメイン、いわばグレイテストヒッツvol.2と言ったところだったが。

ネタの途中でカンだり、ノリに納得がいかなかったら、最初からもう一度撮り直すのでよろしくとあらかじめお断り。換気休憩を挟んで10本近くのネタが披露されたが、何事もなくスンナリ終わったのは半分あったかなかったか。二度やり直しても納得いかず、結局途中でギブアップしたネタや、オチの部分だけを撮り直したネタもあった。

「この世には伏線を回収しない物語もあるのです」という幸さんの名フレーズ(今回もそこで大拍手)が示すように、異次元の事象をコラージュしていくシュールな展開を得意とする彼女たちの漫才、ネタをそれこそ切り貼り(編集)してもまったく不自然とは思わないけど、やっぱり彼女たちならではの整合の美学が優先されているのだろう。

ただ「やっぱりふだんの漫才を自然に撮ったほうがよかったかも」と最後のあいさつ時にはちょっぴり本音も。準々決勝敗退、ラストイヤーだった昨年M-1のネタ”独特の舞“はやっぱり群を抜いて面白く「それは太宰治の生まれてすみませんにたいするアンチテーゼやな」という彩さんのツッコミにはこれまた大きな拍手が起きたのであった。