今年1本目に観た作品がこれでした。
見事に外れてしまいました・・・。
古ぼけたアパートに住む奇人変人たちが、強欲な政治家や企業家の立ち退き計画に抗って最後は見事に勝利するというストーリーに、フランク・キャプラの名作「我が家の楽園」に似たものを感じたので、密かに期待していたのですが。
これ、とにかくシナリオがひどいです。
漫画のテイストを生かそうとしたのか何かは知りませんが、とにかく展開が稚拙すぎ。政治家一派の扱いなど見ていられないほど幼稚な描き方で、何だか恥ずかしくなります。初めから「ああ、コイツら最後にはやられるワ」とわかってしまうような扱いでは、物語上の脅威にも何もなりません。
また、クライマックスでのあるシーンなど、そこに至る伏線が全くないため、とてつもなく唐突です。とてもプロが書いたシナリオとは思えないいい加減さ。
いい年して童貞のカタブツ男とか、やたらと頼りになるナイスな運転手とか、物語を面白くしてくれそうなキャラクターはいっぱいいるのにそれを全く生かしてないのも致命的。そこらをうまくやれば、往年のスクリューボール・コメディの足下くらいにはたどり着いたでしょうに。
能年玲奈や長谷川博己といった逸材をこんな形で浪費するなんて、日本映画界の自殺行為じゃないですかね。
ああ、何だか急に「我が家の楽園」を観直したくなってきましたよ。
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