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日記一覧

中村文則「A」
2017年06月24日16:59

いつもの著者あとがき・・したけど、・・だったけど、という書き方が非常に気になる。わざとなんだろうけど。

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登場人物は勝手に動くから自分では制御出来ないフィクションにメッセージを入れ込むことは出来ない村上の小説の面白さはここから来るのだろう。だから誰も、いや本人も自分を、真似できない。

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タンゴとラテンアメリカの内戦と弾圧を背景に、復讐に生きる人々の物語。この人の小説でつまらないものはない。面白い。読みごたえのある物語だが、こういう復讐劇でいつも解せないことは、「復讐された相手の復讐がまた起きるだだろう、正義は主体を変えれば

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フランスでイスラム同胞団の大統領が誕生し、イスラム教がフランスを席巻する、というフィクション。「服従」こそが幸福なのだ、というテーゼは特に新しくない。ありふれている。イスラムにおいては、女性は男性に服従し、男性は神に服従する。黄昏る西欧文明

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レッドシューターを結構唄っている客が多くて、ちょっとびっくりしたかい、甲斐。ここまで来る客の多くは、全部知ってるんだよ。わかってるだろ?ブルーレターは、やはりいい。美しいメロデイー、鮮烈な言葉。ボブが真っ先に気に入った曲だ。何度聴いても色褪

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第2次大戦下、ドイツの孤児院から戦士になってゆく少年と、ドイツ占領下の町に住むフランスの盲目の少女。あらゆる理不尽で無意味な出来事を経て、二人は奇蹟的に出会い、別れ、直後少年は地雷で短い生涯を終える。少女は70年後に、少年の妹から、かつて自

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炎愛と呼ばれるものレッドスターかけがえのないものカオスミッドナイトブラスワンノーヴェンバーレインI.L.Y.V.Mマッスルイエローキャブ観覧車82渇いた街CRYレイン

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新大阪駅でイカ焼きを買い、待合室で食べるそのことだけで、これだけの考察が出来、これだけの笑い話が書ける。天才である。でもLiveはつまらなかった・・。

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「愛する者に再会するために、何度も生まれ変わる」という、佐藤正午には似合わないロマンティックな主題のために綴られる、物語。いつものように、時制を行き来し、語り手を目まぐるしく換えながら、読み手の視線を離さない。佐藤のよさは、絶対に玄人受けす

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時おり、見たところ何の理由もなく、突然自分という存在の流れを見失うことがあった。それはあたかも、君の体の中に棲む人間が偽物に変わってしまったような、もっと厳格に言えば誰でもない存在に変わってしまったような感覚であり、自分というものが体から滴

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「砂漠ダンス」山下澄人
2017年05月03日15:32

保坂和志絶賛だが、Feelできなかった。ま、ええやん。

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「鳥の会議」山下澄人
2017年05月03日15:29

町田康絶賛だが、まったく魂は振れなかった。ぶぶぶ。

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「永い言い訳」西川美和
2017年04月23日12:42

村上春樹が「重要なことを伝えるには軽妙に言わないとだめだ」と言っていた。つまり、物語を書く理由は、何かを特定の誰かにわかって欲しいからじゃない。何かを、より多くの名もなき人達に伝えたいからだろ?ってことだ。自分の素直な感情を直接的に出すこと

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オースターももう70なんだな。シティオブグラス、鍵のかかった部屋、幽霊たち、を書いた作家が、自分は人生の冬にいると言い、まるで自分もまともな人間なんだと言い訳をするような、自伝を書く。もちろん、そのへんの作家の悟ったような、あるいは説教臭い

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先月、町田康の「吾輩は・・」感想講演会みたものに行くにあたり半分くらい読んだが、なんのなんの、その後かなりかかり読了。世間をバカにしているくせに大胆に逸脱は出来ない。それは憶病だからというだけではなく、正面切った反権力みたものへの気恥ずかし

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人命は地球より重い。こういう偽善が称賛された時代があった。人の死が僕の内面におよぼす影響は、その人が誰かによって異なる。だって、この一瞬に多くの人間がこの世を去る。このことを漱石は「人間の根本的な冷淡」と言った(かどうか、わからない)。人命

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文化大革命。世界の大変革が起きても、人は変わりはしない。しかし、「世界の変動の中で、市井の人々が踏みにじられる、犠牲になる。あるいは関係なく逞しく生きて行く」という言説がいかに空虚であるか。世界の大変革を起こす、見過ごす、赦す、のは最初から

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村上の作品はかいつまんでしまうと、ただのファンタジーになる。かいつまむことが出来ない、ことがすぐれた作品(いやまともな文学作品)の条件だろう。というわけで、やはりムラカミハルキはムラカミハルキだ。村上作品に現れれる人物の誰か、起こる出来事の

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哲学ってこんなにつまんないものなのか?もっとわかるように書けないのか?楽屋ウケが多くて、やれやれである。

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500メートルの深海に棲む「大鮃(おひょう)」という大魚。強く慈悲深い、失われたかのような父性の象徴は、たしかに存在した。見えないが、父性は母なる海深く息づいていた。人は自らの弱さを知ってこそ、強く慈悲深くなることが出来る。いや、自分の弱さを認

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「邪として生まれた「運命」を変えるために、邪を葬るために邪に対して邪になる」という物語は、「自由や民主主義を否定する者に対しては、自由を奪ってもやむなし、なのか?」という問いを思い起こさせる。主人公は論理的に正しい(しかしその正しさは一方的

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町田康「珍妙な峠」
2017年01月09日12:17

前作「バイ貝」に続き、資本主義世界への迎合、挑戦、挫折、の物語。PCの不具合に端を発し、都会での暮らしに嫌気がさした「俺」は、「珍妙な峠」行きの電車に乗り、金から逃れたい、自由になりたいと思うが、それには金がいるのだった。ホームベーカリーでパ

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【引用】何処にも行けない旅人を見兼ねて神が与え給うた奇蹟男は笑う飛び方を知らずに翼を持つことそいつは叶え方のわからない夢を抱え込んできたことと何が違うと言うんだ無意味な分翼は重い・・・旅人は気づく空は飛べなかったが初めての町に 辿り着けたじ

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