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日記一覧
- 火の起源／坂手洋二
- 2015年12月31日22:00
平凡な農家の静かな正月の風景…と思いきや天皇暗殺への不穏当な言及で開幕する、社会派戯曲。テロを背景としながらも、テロ実行犯を直接登場させることなく、その周辺の人―家族、従犯者であり恋人であった女、そして被害者でも加害者でもあるその女の家族
- センター１８／ウィリアム・ピーター・ブラッティ
- 2015年12月30日23:59
『エクソシスト』の作者によるサイコ・ミステリ。ベトナム戦争のさなか、地位も能力も保障されていたはずの将校や宇宙飛行士たちの奇行は果たして本当の狂気か詐病か、あるいは秘められたカルトか…？その謎を解くために主人公の精神科医が軍の隔離病院「セ
- アンデッドガール・マーダーファルス／青崎有吾
- 2015年12月29日20:50
怪物・魔物が闊歩し、ルパンやホームズが実在する世界を舞台にしたミステリ／ファンタジー。こういう「ドラキュラ紀元」みたいな大ネタをこんなに軽妙にまとめて、ミステリとして成立させつつ、キャラをばっちり立て、しかも後々のシリーズ展開にイカしたフ
- 魔技科の剣士と召喚魔王７／三原みつき
- 2015年12月24日23:57
いよいよ他国／他神話群の「王」たちも乱入してきて、７巻目にして色々極まった世界情勢も明らかになり、いやがおうにも盛り上がる。３００頁足らずなのになにこのボリューム感。とにかく神話も政治もバトルもラブコメも、多人数のヒロインと神話が入り乱れ
- 天冥の標�宗疹�川一水
- 2015年12月23日23:55
諸勢力が出そろってきて、長年の因縁のなかでもつれあった人間関係・種族関係も整理されてきていよいよクライマックスへ・・・と思ってたら、終章でぶっとばされた。５２８億の宇宙艦隊ときたもんだ。しかもそれが小粒にみえるような宇宙戦争のまっただなか
- カドモスとハルモニアの結婚／ロベルト・カラッソ
- 2015年12月22日23:53
オウィディウス『転身譜』の現代的再話とでもいおうか。エウロパの劫略から始まり、アリアドネの死、ヘレネの虚像、スパルタの剛健、ディオニソスの秘儀、そしてカドモスとハルモニアの結婚・・・汲めど尽きせぬギリシア神話の挿話を、その異説もまたをコー
- 幸福な死／カミュ
- 2015年12月12日23:50
わずか１５０頁程度の中編でありながら、ドストエフスキー『罪と罰』と真っ向からぶつかり合うような、そんな小説。殺人を犯し、金を奪う―その犯罪行為とその後の青年の思索を追う、という外形こそ同じでもなんと正反対なのだろう。重苦しいロシアと、アル
- 螺旋のエンペロイダーspin3／上遠野浩平
- 2015年12月10日23:33
螺旋浸食体！殲滅用合成人間！マンティコア・ショック！MMT(マジカル・ミステリー・ツァー)！とにかくカッコよく謎めいた言葉が雨のように降り注ぎ、その合間に異能バトルで背中の取り合い―他人の背後からせせら笑うあいつを背後から眺めるあいつ、そのま
- モニュメント あるいは自分自身の怪物／滝川廉治
- 2015年12月08日23:54
冒頭のロセッティ(妹)の詩に始まり、数々のペダンチックなネタで飾り立てても、決して虚仮おどしに堕すことなく、カッコよく決まっているのはストーリーやキャラもそれに釣り合うだけの水準を保っているからだ。魔法の存在する(が概ねこちら側と同じ歴史を
- 叛逆航路／アン・レッキー
- 2015年12月03日23:59
ヒューゴー・ネビュラ含む英米７冠受賞、という謳い文句に偽りはなく、一度読み始めると止まらない駆動力あるストーリー。主人公は改造されたいわばゾンビ兵士、戦艦＜トーレンの正義＞の多数のアバター(属体)にして、彼らの最後の生き残りだ。何重もの意味
