mixiユーザー(id:4550802)

日記一覧

20世紀の既成戯曲3本を若手演出家により上演するオムニバス。転換の間、演出家のトークがあるのも有難い。・村上慎太郎(夕暮れ社 弱男ユニット)『親父の説教』原作はフランス劇作家Guy FOISSY。40歳にもなって働こうとしない息子を叱りつける父親…と

続きを読む

 表題作をずっと「無情の月」だと勘違いしていたことを告白しておきます。末尾一文が地球の裏側で黒焦げになってる非アメリカ人に対してマジ無情、というル・グィンの辛辣な批評が印象的だったせいかも。とはいえ、真夜中の月の異常発光から、人類絶滅の危機

続きを読む

SF飯/銅大
2018年06月26日23:24

 流行に迎合したなんとも安直なタイトル(いうまでもなく「流行」なのは「SF」ではなく「飯」の方、残念ながら…)、と侮るなかれ。銀河レストランでエイリアン料理にひたすら舌鼓を打つ、的な舞台を変えただけのグルメもの、にあらず。もちろん宇宙時代なら

続きを読む

 ある日突然、月が七つに分裂し、2年後には流星群となって地球に降り注ぐと予測される…あり触れた主題であるだけに、リーダビリティに優れたハードSFとして成立させている、作者の手腕が光る。滅亡を予告された地上での喧噪よりも、軌道上で淡々と人類存続

続きを読む

 学校で起こった刺殺事件の謎を、再現実験によって解き明かそうとするが…探偵不在の推理小説だが、かなりトンデモ要素あり。教室の見下ろし図(=生徒たちの配置図)を多用することで仮想実験的不気味な空気を保っていて、ギリギリのところで成立している(

続きを読む

聯愁殺/西澤保彦
2018年06月12日22:24

 連続殺人を唯一生きて逃れた主人公は、事件の真相を求めて、ミステリ作家や犯罪心理学者たちの集まる「恋謎会」の扉を叩く…。全体の9割はアマチュアたちの推理合戦から成り、そのピントのハズしっぷりは凄惨な事件の印象を払拭し、傷心の主人公も和やかな

続きを読む

 深見真デビュー作にして、今は亡き富士見ミステリー文庫。これを第一回富士見ヤングミステリー大賞にした富士見書房はスゴイなぁ。確かにラノベ×ミステリのミックスとしてはある意味理想型かもしれないけど(深見真がそもそもラノベカテゴリに入るか微妙、

続きを読む

第1回ゲンロンSF新人賞受賞作である短編。異星人の介入により、16世紀の宗教・科学を保持したままに宇宙進出した人類を描く神学SF!当時の宗教哲学からの引用をふんだんに用いた衒学的構成は魅力的だが、短編の分量に盛り込みすぎて却って、この作品の独自

続きを読む

 「…若さで頭をブン殴られた」、よろめくように劇場を後にして抱いた第一印象は、しかしよくよく考えると妥当ではなかろう。上演時間の大半が叫び、喘ぎ、生の感情をぶつけ合う120分、レイプに不倫に三角関係、愛憎と承認欲求が渦を巻く、そんな題材を直

続きを読む