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日記一覧

 「ハーレム王に俺はなる!」みたいな軟派きわまるおもて面とは裏腹に、次第に明かされる世界設定のハードさに震える第二巻。魔法を使ううち神話に浸食されて宗教国家と化した各国によるラグナロク/ティタノマキアが不可避・・・って酷いディストピア!1巻

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 学園異能・ハーレム・神話、とラノベの保守本道を見事にブチぬいたシリーズ第1巻。女の子の好感度挙げるとその子の所有魔法が使える(好感度ゲージまで表示される始末!)、なんて軟派な設定とは裏腹に、複数の神話体系が現実世界を浸食してきている、という

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 エイリアン・ミーツ・ボーイ。人間の体内に潜伏する悪玉エイリアンを探すミステリ要素と、少年のひと夏の冒険があわさった古典的名作。肉体的には脆弱そのもので今一つたよりにならないエイリアンと聡明な少年の二人三脚での「犯人捜し」が実にいい。ただ、

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 「ポーランドのラヴクラフト」というコピーに惹かれて購入。鉄道と駅員の怪奇小説、が14篇も続くとさすがに単調さも感じるが、その偏執っぷりは確かに強烈な印象を残す。大勢の旅客を乗せ、猛スピードで(作中に貧集する言い回しだと「思考のごとき速さで

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 ヴァ―リィ傑作集・・・と銘打つだけあって粒ぞろいの短編集だが、どれも既出の短編集やアンソロジーに収録されたばかり、かつ傑作なだけにかえって記憶に残ってるので、そういう意味ではお得感の少ない一冊ではあった。一作くらいは本邦未訳の傑作とかなか

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 「ビブリオバトル部」シリーズ第2巻。今回は夏らしく「幽霊」「戦争」の2題。後者はいうまでもなく前者もオカルトや宗教絡みで面倒臭いネタだというのに、楽しみながら論争するスタイルが、青臭くも眩しい。もちろんブックガイドとしても相変わらず秀逸。

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旅のラゴス/筒井康隆
2015年07月17日23:08

 文明が後退した代償として人々が超能力に目覚めた未来の植民星を旅する男、ラゴスの物語・・・。奴隷にされたり、ロマンスがあったり、一大王国を築いてみたりと波乱万丈の旅路だが、あらゆる冒険に淡々と対応する主人公とその道行は不思議な魅力を湛えてい

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  探偵養成学校があったり、国家機関としての探偵組織が警察以上の力をもってたりといろいろミステリ特化な世界でのお話。定員100名の探偵学園の101名目の特究生(アルタメイト)とか、記憶を奪われた主人公とか、美味しいネタは多いのだけれど、実質短

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 ナボコフ後期の長編。国書刊行会版・若島正・中田晶子訳。なにやら観察(描写)の対象とその透明性についての哲学的な言明から幕を開けたこの物語、本筋はヒュー・パースンなる(元)編集者がスイスのホテルを訪ねるところから始まる。それからプロットは過去へ

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 3つの戯曲を収録。どれもモチーフの引用、構成が非常に巧みかつ複雑、濃密で、読み物として十分に面白い。逆に、これを劇場で一見して飲みくだすのは大変そう、とも。・Right Eyes戦場カメラマンの死とパパラッチ、作者の右目失明を絡めたメタフ

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 何故か今、しかも竹書房から出たオールディス初期作品にして世代間宇宙船ものの古典。…といっても、その面白さはまったく色褪せていないし、むしろなぜ今まで出さなかった早川・創元、といいたくなる。あまり本筋と関係ないサイキックミュータント鼠の脅威

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狂える将門と、彼を取り巻く影武者たち、女たち。映画『メメント』を思わせるような、不毛かつ切実、真剣にして滑稽極まる自己探求。自分自身であり続けることすら、かくも難しい。

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 題名からして、「ああ、未だ本編で語られざる1部と2部の間を埋める二次創作なんだな」なんてヌルい予想を成層圏のかなたまでぶっ飛ばす一大怪作、あるいは舞城王太郎流スーパージョジョ大戦。なにせ第一部から第七部まで総出演、並行世界やタイムトラベル

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年間日本SF傑作選。今年は同人誌や電子書籍からの作品が多く、SF界隈の変化を感じさせられる。巻末の大森望のSF界概況も、相変わらず下手にSFマガジン購読するより読み応えあって、隔月になったのってこのシリーズの充実っぷりが一因なんじゃないの?と思った

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 火星に建てられた「セフィロトの樹」を模した精神病棟、という舞台設定には惹かれるものがあるが、ドラマもSF的アイディアも煮え切らないままに終わってしまったように見える。患者にして医師たる隠された第11の病棟(この発想も現実的に考えるとあからさ

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