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日記一覧
- ゴブリンスレイヤー／蝸牛くも
- 2018年09月23日23:40
チートな勇者さまが魔王を倒している世界の片隅で、ただひたすらにゴブリンを狩り潰し続けるごくごく平凡な（？）戦士の物語。ヒロインが一貫して「女神官」としか呼ばれないなど、固有人物名を排除する趣向と、女性は負けたら凌辱のうえ喰われるというだか
- 蘭陵王／田中芳樹
- 2018年09月20日23:10
日本ではもっぱら雅楽の演目としてのみその名を知られている悲運の公子を主人公とした古代中国歴史小説。後に仙女となる少女を狂言回しに据えた物語は、史書の記述を巧に解きほぐしていて、遅滞なく読み進められるのだが、ともすれば作者の興味は、このあま
- 白墨人形／C.J.チューダー
- 2018年09月19日22:46
少年時代に遭遇した忌まわしい事件の影が再来し、「白墨人形」の謎と恐怖もまた蘇る…30年の時を経た二つのパートを交互に展開していく、巧みなプロットが特徴のサイコホラー／ミステリ。中核となる３０年前の少女バラバラ殺人事件、の他にも小さな謎と伏線
- エクスタス・オンライン１／久慈マサムネ
- 2018年09月17日23:52
クラスごとRPG世界に転移して…というところまで定番中の定番だが、本作では主人公が一人だけゲームのクリア目的（だと他の皆が信じている）ラスボス・魔王に転生してしまった、という捻りが加えられている。この一捻りが、物凄くうまく機能していて、片や
- [観劇］きつねのかみそり／虚空旅団
- 2018年09月14日23:23
タイトルは、劇中で庭に沸くモグラの駆除用として言及される、ユリ科植物のこと。本筋とはまったく関係のない会話で、一度のみしか出てこない言葉だけに、深読みするとちょっと怖い含見もなくはない。このあたりの絶妙さは本編にも言えることで、熟年再婚し
- ランドスケープと夏の定理／高島雄哉
- 2018年09月13日23:22
イーガン直系の宇宙を根底からアレコレする先鋭的なSFに、暴走し増殖する超・天才マッドサイエンティストな姉やら肉体を持たない双子の妹だの、キャッチ―な補助輪を加えることで、たいそう読みやすく仕上がっている。こういったラノベ風味のフォーマットだ
- [観劇］ワーニャ伯父さん／劇団地点
- 2018年09月10日23:48
舞台の上に設置された古いピアノは塗装も剥がれて木目もむき出し、鍵盤から雑草が生える有様。このピアノ上が舞台上舞台として使用され、後半ソーニャとワーニャ伯父さんはほとんどこの上に留まり、劇の焦点となる。一方、ピアノの下を始め、舞台のそこここ
- 境界線上のホライゾンⅪ・中／川上稔
- 2018年09月09日23:20
上巻の引きがおっさん再登場、でそんな色気のないクライマックス突中で大丈夫か？とか思ったものだが、心配いらなかった。このおっさん兼実質的ラスボス、作中でも一番あざとい。アニメ版だとCV中田譲治だしなー。 遂にたどり着いた「ウェストファーレン会
- 紺�悗里錣�れ／塚本邦雄
- 2018年09月06日23:42
デューラーの宗教画を扉絵に、十の短編は並べればタイトルは一字上がり、奥付の配列にまでいきわたった作者の美意識に、ただただ圧倒される。磨き抜かれた美文で築かれた、美と悪徳の牢獄、といった風情。通常の近代小説を読むのとはまるで違った読書体験は
- 竜のグリオールに絵を描いた男／ルーシャス・シェパード
- 2018年09月01日23:09
眠り続ける巨大竜グリオールを「背景」に置いた連作短編集。そう、このシリーズのユニーク極まる点では、空も飛ばず、炎も吐かず、ただ眠り続けるカテドラルめいて巨大なドラゴンが、しかし途方もない存在感で、登場人物たちを圧倒し、駆り立て続けるところ
