まさかのキノコ小説アンソロジーなのである。ホラー半分、知性を持った茸ネタ多数(!)、クトゥルー少々、ドラッグ小説あり、壮大なファンタジー年代記あり、まれに茸が家族の絆を象徴したりもするという、茸という1点、その湿度暗さに偏っているのに、話と
待ちに待った最終巻…だった筈なのだけど、淡々とイベント処理するだけで精一杯、という感じで精彩を欠く内容。結末が決まっているお話だけに、それをそのまま描かれても単なるprototype本編の予告、でしかない。今までの巻にあった先の「次」の聖杯戦争の
真田大介VS魔神の力を宿した十勇士!というファンタジー忍法帳。下巻で満を持して登場する黒幕は魔界・戦国ときたら当然、復活のあの人だよねー。最後は巨大ロボまで繰り出すしっちゃかめっちゃか振りで走り抜く。このスピード感は得難いものだけど、美味し
WEB発のダンジョン探査ものとしては、文章・構成ともによく練られている。異能持ちのボーイ・ミーツ・ガール(身長180センチの9歳児クォータージャイアント、特技はシールドバッシュ!)と、コンビ初のダンジョン踏破とシンプルでありきたりすぎる話は、逆に
日本版オリジナル短編集の2。知らないだけで意外と翻訳されていたエリスンだが、巻末で詳説してくれているように、非SF雑誌での掲載が多く、それは埋もれてしまうのも無理はない。Men'sClub(ファッション誌)にSF短編が載ってるなんて…概してオシャレに縁
看板に偽りあり、とまで言わないが、あまりテーマに縛られない作品選択…というかウィリス「我が愛しき娘たちよ」は単に新訳したこれブチこむ適当なアンソロジーがなかっただけですよね大森先生!いや確かに傑作だし、いまどきフェミニズムSF傑作選が出版で
若き詩人の愛と放浪の日々―なんて裏表紙にでも書く売り文句風に上っ面だけ綺麗にまとめても、本書の魅力は伝わる筈もない。女学生を孕ませて結婚してしまう仕儀に始まり、やることなすこと無計画、自堕落、八方破れなのに、詩人の内面も、彼が見る世界も、
予知能力者たちが集まって積み木崩しで勝負!傍から見ればホントにそれだけのお話だから困る。実際にその裏で起こってることは、哲学的ディスカッションというか理念のぶつかりあいというかロジックの空中戦、のような異次元ゲームなのだけれど。面白いか、
割とカラっとスカっと完結したOBSTACLEシリーズ(の一つ)。さんざ前振りしておいてビターエンドでさえない賑やかかしましEND!ちょっと綺麗に終わりすぎて、却って印象に残り辛いきらいも。実際、ストーリーの山場は2・3巻にこそあった気も…。なにもかも
今、もっとも続きが楽しみなシリーズといって過言でない成田良悟流Fate、第四巻。もういい加減頭打ちだろうと思ってたインフレ具合がどうにも止まらなくて大興奮。チートにチートを重ねて、でもそれをメタった一撃がクリーンヒット!みたいな。歴代ハサンの能
原題はそのまま舞台となるホテルの名前THE Way Inn。冒頭のボルヘスの引用で既にネタが割れているが、全世界にある同名のホテルがすべて奇妙につながっている、「バベルの図書館」ならぬ「バベルのホテル」なのである。ただ、この奇想から連想するよりも、
上下巻。ネビュラ賞受賞作のファンタジー。ナウシカの腐海かウォーハンマーの混沌か、といった具合の、人や獣を穢し歪める「森」の侵攻に晒された王国を舞台に、孤高の魔法使い「ドラゴン」とその弟子となった少女のロマンスと戦いを描く。要素だけ取り出す